Children & Weapon Smith

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アメイジングスパイダーマン #13 (スパイダーバース 第5話)

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スパイダーバース第5話の紹介です。新たなセーフゾーンを得たスパイダーアーミー。別働隊も成果を出し初め、戦いの趨勢は如何に……。

前段はこちら

koto-bukiya.hatenablog.com

 

 

Earth-001、インヘリターの一族が改めて集結していた。

「お許しください、我が父ソーラス」

「あれは仕方のなかったことなのです」

「黙れ!!」

儀式に必要となる"異端"、"花嫁"、"子孫"のうち、

まだ一つしか手に入らない事を叱責するソーラス。

更にインヘリターの強さを支えるクローン体を作る工場も破壊され、

にわかに趨勢が変わっている事も感じているのであった。

「だが、子孫は手に入れた。

これにあと二つ揃えれば本当に儀式は完成するのだろうな、マスターウェーバー?」

「私は嘘は言わない」

「顔を上げよ、我が子らよ。

もはやスパイダーマンは不要!奴らを根絶やしにせよ!!」

 

一方Earth-3145に集結したスパイダーマン達は

この世界のトーテムであるベンおじさんの話に耳を傾けていた。

「もう昔のこと、私とピーターはある化学実験を見学に行った。

その時、特殊な蜘蛛に噛まれた事で特殊な力を得た私に

ピーターはコスチュームやウェブシューターを作ってくれて、

それは協力してくれたものだ。

私も力を持つ者の責任として、人助けに励み続けた」

ベン伯父さんの顔色が変わり始める。

「だがヒーローの存在は、必ずヴィランを生みだす。

狂気に走ったエメラルドエルフのせいで私は家を焼かれ

ピーターとメイを失った……」

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「私はスパイダーマンであることを辞めた……。

ちょうどその頃だった。エゼキエルという大会社の社長が現れ、

モーランという者が私を殺しに来ると言う、それを守りに来たとも言った。

全てを失った私は彼の言うままこのシェルターに籠ったのだよ」

同じヒーローとしてあまりにわかり過ぎる感情に思わず聞き入るスパイダーマン達。

 

だがその時スペリアーから、疑問の声が上がります。

「エゼキエルとやらの甘言に嵌って閉じ込められてたってわけか。

スパイダーマンが居なかったからこそ、

世界はこんな惨状になってしまったんじゃないか?」

「そうかもしれん。

Dr.オクトパスが核ミサイルを盾に世界に宣戦布告をしたのに私は隠れ続けた。

そして彼は道を誤った。

発射されたミサイルは世界中を焼きつくし、

放射線に溢れた何物も生き残れない世界になってしまった」

「嘘だ!オクタビアスが……Dr.オクトパスが、そんなこと……」

この話を聞いて狼狽したのはスペリアーだった。

Dr.オクトパスの精神とピーターの正義の心が混じり合った彼に

この話は残酷すぎる内容だったのだ。

 

スパイダーマン達がベン伯父さんを中心に話こんでいる中、

シルクはそっと聞いてくる。

「ねえピーター。

スパイダーウーマンの姿が見えないんだけど……」

「彼女は自分の退路を断って、この巻物を転送してくれたんだよ」

「え、じゃあまだルームワールドに!?」

「そう、彼女が言うにはこの巻物にはそれだけの情報があるというんだ」

皆の興味が巻物の内容に移る。

だが、シルクはそれどころではなく話の輪から離れる。

シルクは自分を逃がすため敵の本拠に残った

スパイダーウーマンが気になって仕方ないのだ。

それを心配して付いてくるグウェン。

「シルク、どうしたの?」

「スパイダーウーマン、彼女は私のために敵の拠点に置き去りに……」

それを聞いて自分もスパイダーウーマンの計らいで危険な任務から

外されたことを思い出す。

そんな彼女を救うため、シルクとグウェンは

一路Earth-001ルームワールドへ向かうのであった。

 

スパイダーマン達の議論はマスタ―ウェーバーがもたらした巻物の話題に移っていた。

「アナマリア!データベースに照合して解読できないか?」

「……すみませんドクター、解読不能です」

「くっ!」

その様子を見てピーターが話しかけます。

「そのホログラム、アナマリア・マルコーニじゃないか」

「そうだ2099の技術で可搬式アシスタントにした」

おざなりにそう答えながらスペリアーはあることに気づきます。

ピーターがアナマリアを知っている?

ということはこのピーターは自分より過去の存在ではない?

俄かに顔色の変わるスペリアーであった。

 

「僕たちもこんな言葉見たこと無いなあ」

日本出身のスパイダーマンJ達も首を捻ります。

そんな中Earth-616のスパイダーガール、アーニャが声を上げる。

「あ、私これ読めそうです」

「本当かい!?」

「ええ、私は他のみんなと違ってスパイダートーテムから啓示を受けて

力を得たから……それで読めるんだと思います」

「凄いじゃないかアーニャ!君はEarth-616のMVPだ!」

ピーターが喜びます。

早速アーニャが一冊目の巻物を解読する。

それによると蜘蛛のトーテム達は1000年未来の後にインヘリターを滅ぼす運命にあり、

インヘリターがそれを回避する為には"異端"、"花嫁"、"子孫"を生贄に捧げる

儀式を必要とするとあった。

「ベンジーの命が危ない!」

"子孫"ベンジーの姉であるメイデイが声を上げる。

「そういえばシルクはどうした?」

 

スパイダーウーマンを助けに行ったシルク達は

ルームワールドで早速海賊たちとの乱闘に突入していた。

また、ベン・ライリーを亡くしたカインは怒りにまかせインヘリターの本拠地に

乗り込んで行くところだった。

 

「(クン)感じたか?兄弟?」

「花嫁」

「異端だ」

二つの匂いを感知したインヘリターは、いきり立ちます。

「行くが良い、我が家族たちよ!

内なる衝動を解き放て!

最後の狩りのはじまりだ!!」

ソーラスの号令一閃、彼らは競って出撃するのだった。

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一方スパイダーアーミーも決戦に出んとしていた所だったが

スパイダーパンク達一団は別行動を取ると言う。

それは二本目の巻物に書かれていたカーンの出自に関することだった。

「カーンはインヘリターの一族ではない」

敵の敵は味方、カーンを仲間に引き連れようというのだ。

(このストーリーはスパイダーバースチームアップ #3 に続く)

 

Earth-001に渡ったカインは早々にインヘリターと対峙していた。

しかしその姿はもはやスパイダーマンのそれでは無かった。

コスチュームを破り、巨大な蜘蛛男へと変貌するカイン。

「みろ、モーラン!異端だ。あれは我らが獲物!」

「あの大きさ!我ら全員の食事が賄えるな!」

デイモスが逸りますが、巨大な蜘蛛と化したカインに一撃で叩き伏せられます。

「父よ!これは手ごわいぞ。気を付けて!」

「ハハハ!面白い。儂はインヘリターの長、ソーラスぞ!

このような戦いを長年待ち続けていたぞ」

大言豪語するソーラスだったが、異端の力は強大だった。

無数に伸びてくるスパイクに全身を刺し貫かれ、ソーラスが倒れる。

「父上!信じられん」

それを見たモーランとデイモスは過信を止め二人同時に飛びかかる。

怒りに猛るモーランの猛攻で異端は捕られられる。

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だが、クローン工場も無くし、復活できなくなったソーラスの遺体を見て、

流石のデイモスとモーランもうろたえるのであった。

 

一方、花嫁シルクの元にはヴァーナが大量のゴブリン軍団を連れて現れていた。

さらにブリックスとボラの双子も現れ、ついにシルクは捕まってしまうのであった。

 

セーフゾーン。スパイダーアーミーが決戦に赴かんとしている中、

ベン伯父さんは戦う意気を見せられないでいた。

その態度に苛立ちを露わにするメイデイ。

「私は、私はもう失いたくないのだ……」

ピーターの説得にも動かないベンだったが、そこへスペリアーが口を挟む。

「何を言うか!この爺さんは!」

「おい」

ピーターが静止しますが聞きません。

「お前は黙ってろ!

何もしないでまた失いたくないなんてふざけた事をぬかすな。

勝利で得られるものなんて初めから何もない!

奪われないために戦うんだ!

あんたにとって今この戦いこそが失わないための戦いなんだ!!」

この言葉に突き動かされたのか、ベン伯父さんは立ち上がりコスチュームを纏う。

かくしてスパイダーアーミーは全員が立ち上がり、最終決戦に向かう。

 

スペリアーが声を上げる。

「死ぬ覚悟はできたか!?」

ピーターが反論する。

「いやいやいや、そうじゃないでしょ。

行こう!スパイダーフレンド!!」

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今回のお話、スパイダーアーミー本隊はシェルターの中で喧々囂々しているだけで動きが有りませんでした。次回最終話に向けて力を溜めている回って所でしょうか。

面白かったのが途中のUKとインディアの会話。

「こんなに大勢の僕たちが居るのに、みんな同じ様な特徴を持ってるってどういう事なの?例えば僕はパビトアで彼はピーター、僕にはベンガル伯父さんが居て彼にはベン伯父さんが居る。どういうことなの?」

と悩むインディア。それに対してUKは

「僕の名前はビリー・ブラドック。キャプテンブリテンコァに所属する並行世界の守護者だ。みんな同じなんて言うけど、こんなスパイダーマンは他には居ないよ」

とアドバイスしてあげてます。並行世界を股にかけて戦う彼にとって、その程度の類似性は瑣末なことだと教えてあげたかったのでしょうか。何にしろスパイダーUKの「良い兄貴っぷり」が発揮されてて好きなシーンでした。

 

スパイダーバース単行本情報。全体のあらすじも紹介してます。

koto-bukiya.hatenablog.com

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