エクスティンクション・アジェンダ #3 【バトルワールドレビュー】
エクスティンクション・アジェンダ第3話の紹介です。X-シティからトリアージとローグを攫ってくることに成功したジェノーシャのハボック達。しかしこの結果は新たな戦いの種を生みだしたに過ぎなかった。
第2話紹介はこちら
キャメロン・ホッジが最期に見たものは二人のミュータントだった。
サイクロップスとハボック、二人の攻撃を受け生き埋めにされたのだ。
そして今、首だけの姿で目覚めた彼の目の前には一人の男が居た。
「ここは……お前は……?」
「私の名前はアルダス・クラッグ。
ホッジ殿、あなたは私が連れてきたトリアージというミュータントの力で蘇ったのです。
そしてこのウォーロックから接種したトランスモードウイルス……」
「なんだ……わからんぞ……」
「心配なさるな。あなたはもうすぐ解放される。
ミュータント、ミューテイトを滅ぼす疫病として」
ここはジェノーシャにあるクラッグの研究室。
彼はミューテイト達の疫病禍に対処するふりをしながらホッジの復活を目論んでいたのだ。
ジェノーシャの収監エリア。ここにはX-シティから連れてきてしまった
ウルヴァリン、ボムシェル等が捕らえられていた。
様子を見に来たリクターがボムシェルに声を掛ける。
「タバサ、すまんな。こんなことになっちまって」
「ううん、良いんだよ。ジェノーシャに誘拐されてくるのは慣れっこさ」
「俺達は疫病に対抗するためにトリアージの力が必要だったんだ」
「うん、わかってる。
でも思い出すよね、こうやって一緒に捕まってたことを……」
そう、かつてX-FORCEとして活動していた際に、二人は当時ジェノーシャを
支配していたキャメロン・ホッジに誘拐されたことがあったのだ。
それが今は、誘拐する側とされる側に分かれてしまっている。
微妙な面持ちになるリクターだった。
X-シティから連れてこられたローグとトリアージ。
二人は意外なことに、素直に疫病の治療に協力していた。
「本当に感謝してるよ」
リーダーのハボックが忌憚なくそう告げる。
「いいんだよ、ハボック。レイチェルのことは気にしないこったね」
ローグが快活に答える。
しかしそこにX-MENが急襲を仕掛けてくる。
連れ去られた仲間を取り戻そうというのだ。
「僕がレイチェルと話してみますよ」
そうトリアージは言うのだが、それを遮るようにテレパシーが入る。
「それには及びません、クリストファー」
「ですがジェノーシャの窮状は聞いていた以上です!
僕達の協力が無いとこの島は…」
トリアージの訴えもレイチェルには届きません。
「彼らが私達の仲間を攫っていったのです。私達はただそれを取り戻すだけ。
ロングショット、そちらはどうですか?」
「ああ、問題ないね」
警備を打ち倒して、ロングショットはウルヴァリン達の牢に向かっていた。
牢の前で待っていたのはリクターだった。
「よう4本指」
リクターの放つ振動波は、亀裂と床の破片を飛び散らしてロングショットに襲い掛かる。
「4本指は、天才の証ってね!」
それを見事な体術でかわすと、スローイングナイフでリクターをK.O.する。
「ずいぶんと非情じゃねえか。まあ嫌いじゃないぜ」
牢の中からウルヴァリンが声をかけます。
「いやいや、リクターに投げたのは刃先を丸めた樹脂製のナイフだよ」
どこまでも優しいロングショットだった。
一方、屋外でも激しい戦いが続いていた。
バレットプルーフはサンダーバードと力のぶつかり合いを演じ、
レーンは持ち前のスピードで、なんとかストームに渡り合っていた。
しかし雷撃がレーンを捉え、彼女は気絶してビルから落下してしまう。
それをキャッチしたバレットプルーフだったが、天井を破り室内に落下する。
そこはまさにクラッグがホッジを目覚めさせようとしている現場だった。
クラッグはホッジにサイボーグの身体を取り付け、そこへさらに
ウォーロックのトランスモードウイルスから発展させた外骨格を装着しようとしていた。
それを目の当たりにしたレーンは目を丸くする。
「ドクター!これはどういうこと!?」
「ハッ!真の禍いはこれから始まるのだ!
ホモ・スーペリアーの絶滅という災害がな!」
「あなたが疫病を作り出してたっての!?
許せない……」
そこへ追ってきたインクとの戦いから、吹き飛ばされたバレットプルーフが
クラッグの外骨格アーマーに取り込まれてしまう。
「う、うわああぁぁ!」
「サイモン!何なのこれは!」
「貴様の仲間、ウォーロックから作ったトランスモードウイルスの装甲だ。
だが人のことを心配してる場合か」
レーンが振り返るとそこには牢から脱出しウルヴァリン達がいた。
だが事態は既にジェノーシャとX-MENの戦いでは無かった。
「こいつが疫病を広めてやがったんだ」
インクがクラッグに詰め寄る。
「何だと……こいつは生かしちゃおけねえな」
ウルヴァリンが爪を伸ばすと、背後からバレットプルーフが飛んでくる。
「それは俺の役目だ!!」
怒りに震えるバレットプルーフはアーマーを暴走させ、クラッグを握りつぶす。
個人的な感情でミュータント/ミューテイトを弄んだ男の末路だった。
しかし事はそれで終わりでは無かった。
ウルヴァリンが振り返るとそこには復活したキャメロン・ホッジが立ちはだかっていた。
ついに復活したキャメロン・ホッジ。X-MEN・ジェノーシャ連合チームと激突必至です。
今回ちょっと面白かったのが表紙にもなってるバレットプルーフ。ウォーロックの技術を用いたアーマーを着せられ敵に下るのかと思っていましたが、事故で敵のアーマーを奪った挙句、そのまま活躍しているのだから面白い。この人だけ今作品のオリジナルキャラなので「酷い目に合う担当」かと思っていたのですがどうやらその限りでもないようですね。
もう一つ、ALL-NEW X-FACTORから引き続きの登場となったディ・ジャンドメニコ先生の描くロングショットが格好良い!ちゃんと4本指に言及してるところも見逃せませんね。
E is for Extinction: Warzones! (E Is for Extinction / X-Tinction Agenda)
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