X-MEN: サイクロップスとハボック、そしてタイムランズアウト
2012年から続いたブライアン・マイケル・ベンディス体制のX-MENも600号の最終回を間近に控え大詰めを迎えて来ました。
アベンジャーズ vs. X-MENにて世界を混乱に陥れたテロリストという烙印を押されたサイクロップスが、アウトローを自覚しながらもミュータントの新たなる革命のため、独自に若きミュータントを指導するというのがここ最近のUNCANNY X-MENのストーリーでした。
今回はそんなUNCANNY X-MENの最近のストーリー、特にサイクロップスとハボックに焦点を合わせて紹介したいと思います。
ここまでのサイクロップス
ここ最近のサイクロップス、もといUNCANNY X-MENはオリジナル・シン展開でプロフェッサーXの遺言について取り上げて来ました。強力な力を持つミュータントの存在を示唆したプロフェッサーの遺言を受け、サイクロップスはミュータントの未来のため独自に行動します。
ここまでのハボック
こちらは2012年開始のアンキャニーアベンジャーズにてX-MENサイドのキャラクターとしてアベンジャーズに参加しました。それから紆余曲折を経てアベンジャーズから離反、2014年のクロスオーバー「アベンジャーズ&X-MEN: アクシス」にて善悪逆転したままサイクロップスの元を訪れるラストが描かれました。
ここまでが2015年1月までのストーリー。
それからの展開を簡単に紹介したいと思います。
UNCANNY X-MEN #31
ハボックとサイクロップスが争う表紙にアクシス後の展開が期待されるも、内容はオリジナル・シン展開の完結編。ハボックはハの字も登場しません。
教授の遺言を受けオメガクラスミュータントの青年マシューの元を訪れたサイクロップス。結果、彼の説得は失敗に終わり甚大な被害を出してしまいます。
その失敗を救ったのはサイクロップスの生徒であるエヴァ・ベルでした。彼女によって一命を取り留めたサイクロップスですが、これにより自分がミュータントの為に行ってきたこと、ミュータントの革命について考えを改める事となります。
UNCANNY X-MEN #32
そして32号にてついにハボックが新恵まれし子らの学園に合流、アクシスのラストシーンからの続きが描かれます。反転し、ヴィランとなっているハボックがどのように振る舞うのか、それに対しサイクロップスはどう彼を受け入れるのか。
結果からいうとハボックの反転については一切描かれず、前号からのサイクロップスのストーリー、これからのミュータントについての考えを改めた彼がどう行動したかが描かれました。
サイクロップスは生徒たちを集めると、ジーングレイ学園に移りそちらで訓練を積むべきだと告げます。その言葉は生徒達からしたら裏切りに近い物であり、半ば喧嘩別れの形で生徒たちは去っていきます。生徒たちだけでなくキティやマジック、サイクロップスを常に傍で支えたエマ・フロストまでもが彼の元を去ってしまいます。
そんな誰もいなくなった学園に訪れてきたのがハボックです。淡々と自分の周りに起こったこと語る兄の言葉に耳を傾けます。
「エマはいつだってあんたを支えてくれてたじゃないか
(一方的だったかもしれないけどな)」
「彼女は行ってしまったよ」
「!ビッグニュースじゃないか!自由だよ!自由になったんだ」
「…やめてくれないか」
「…悪い。でこれからどうするんだ?」
「何をしようかな」
「何をすれば教授は認めてくれるかな?」
「何をすればローガンは認めるだろうな…」
「どうしたら皆のためになるのか、か。自分のためにはどうなんだろうな」
「そんなこと言ってお前はどうなんだ、アレックス?」
「言えるかよ」
「教えろよ」
「そっちが先に言うんだよ、スコット」
「そうだな、『サマーズ兄弟のピザパーラー』なんて始めるのはどうだ?」
「それいいじゃないか!俺が考えてることよりずっといいね」
「…来てくれて本当に嬉しいよ、アレックス」
「AAAWWW…」
思っていた展開とは全く違いましたが、最後のこのやり取りを見てハボックの反転がどうとかはもうどうでも良くなりました。
おそらくはこのままシークレットウォーズに突入、終了後は新X-MEN体制として再開すると思われるので、この二人組が活躍することは無いのでしょうが、願わくば「アウトローの兄スコット」と「アベンジャーズから反転した弟アレックス」の活躍も見てみたいものです。
タイムランズアウト
さてサイクロップス関係でもう一つ残っているネタとしてはアベンジャーズ誌にて展開している「タイムランズアウト」にて、独自にインカージョン対策を有してると豪語していたサイクロップスの登場シーンです。
「私にはフェニックスの卵があるしな」
結局残り2話となってしまったタイムランズアウトにこの要素は出てこないのではないかと思われます。ただ、今見ると大事なのはそこではなく、サイクロップスが「私たち」では無く「私」と言っているところ、そして彼以外ネイションXに居たのは無人のセンチネルだけだったというところです。この時点でサイクロップスの元から皆去っていくということは示唆されていたのではないでしょうか。
5月のシークレットウォーズに向けてある意味着々と物語をたたむ準備を進めているUNCANNY X-MEN。ここまで来ると残った気になるところと言えば、予告されてる最終回に達するまで残り34、35、600号と三冊も残っているということくらい。…ベンディス先生、本当に間に合うの?
Uncanny X-Men Vol. 6: The Revolution
- 作者: Marvel Comics
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