Children & Weapon Smith

MarvelComics(主にX-MEN)の紹介をしているブログ

アベンジャーズ&X-MEN:アクシス #9

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「AVENGERS & X-MEN : AXIS #9 GRINDING HALT」の紹介を行います。

 

遂に最終決戦。レッド・スカルを巡る攻防、そして新旧キャプテン・アメリカ対決。勝利は誰の手に。

 

前段:アベンジャーズ&X-MEN:アクシス #8 - Children & Weapon Smith

 

参考:X-MEN雑記 1/26 - Aleolapin

 

過去、エージェントとして行動していたセイバートゥースは命乞いをする男の前にいた。

爪を突き立てるセイバートゥース。

彼を止めようとするウルヴァリン。

「プロフェッサーXという男がいる。彼ならお前を救えるかもしれん」

だがその言葉はセイバートゥースには届かなかった。

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現在、アベンジャーズタワー。

レッド・スカルの息の根を止めんとするキャプテン・アメリカの前に

アーマーに補われた老スティーブが立ちはだかっていた。

「そのナチを渡せ!さもなくば只ではすまんぞ!」

「君はもっと賢い男だったろう、サム!」

「貴様になにを言う権利がある!?俺はもはや自由だ!」

老スティーブを圧倒し、その首にシールドを突き立てるキャップ。

だがその首は煙に消える。キャップが戦っていたのはスカルが見せた幻だったのだ。

下水道を移動するスティーブとスカル。

「これでどれくらい時間を稼げる?」

「わずかだけだ。君の相棒もとっくに気づいて血眼で探し回っているだろう」

顔面蒼白のスカルはすっかり別人のようになっています。

「もう力が続かない。衰えたものだ。

君もそんな姿になってまで、スティーブ」

「スティーブ?えらくしおらしいじゃないか」

「私は、自分のしたことが恐ろしい。本当に、本当にすまなかった」

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「悔恨の情も良いが……まずはアベンジャーズのX-MEN殲滅を止めなければ。

今の状況を正すことはできないか?」

「あの時と同じ、混沌と秩序の魔法があれば私の力で反転している者達を正すことができよう」

「できるのか」

「試してみるしかない。まさかレッド・スカルが世界を救う日が来るとはな」

 

マンハッタンの戦局は終焉を迎えていた。

老スティーブがスカルを連れて逃げたことを知ったアベンジャーズはそれを追跡する。

X-MENの敗北は確定的になり、ハボックはワスプを連れてシップから逃げようとしていた。

「急ぐんだジャネット。俺と一緒に来るんだ」

「何言ってるの?あなた、私を捕まえて殺そうとしてたのでしょう」

「そんなことあるものか!俺は、君とあのケイティのいる未来、

幸せな家庭を築く未来を迎えたいだけだ!」

ハボックの言葉に耳を傾けかけたワスプでしたが、

遺伝子爆弾と共に飛び散ったシンビオートの破片を見て表情を変えます。

「あなた、あの爆弾を作動させたの!?なんて人なの!!」

ワスプはハボックにスティングを撃ち込みます。

「待て、待ってくれぇ」

「そうよ、結局あなたはそうやって自分を守りたいだけじゃないの」

ワスプはハボックの元を飛び去るのでした。

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そして外では流石のアポカリプスも膝を付きうなだれてました。

「失った。遺伝子爆弾も、我がX-MENも……

我等の未来、我等の繁栄、全て、全て失われた……」

「そんな型通りのセリフ言ってくれるなよ、エヴァン」

「ウェイド?」

首だけになったデッドプールがアポカリプスに語りかけます。

「勝利は諦めないヤツの所に来るんだぜ。

連中がスカルを殺しちゃってたらお終いだけど、まだチャンスはあるんじゃないか」

デッドプールは続けます。

「反転効果でアポが顔出しちゃったけど、それは本当の君じゃ無いだろ、エヴァン。

君はファントおじさんやウェイドおじさん、皆に愛されて育って来たじゃないか。

"生まれが人を作るんじゃない、様々な人の教えが人を作るんだ"

誰の言葉か知ってる?あのバカ正直者リンカーンだってよ」

 

「いい加減感傷に訴えるのは止めたらどうだ!!」

アポカリプスは哮りますがデッドプールは気にしません。

「馬鹿げた話だろ、反転効果で生まれたアポカリプスだって?

そんなのありかよ、君はずっと戦ってきたじゃないか。

いつまでそんな中に閉じこもってるんだよ。

そろそろスーパーエヴァン君の登場の時間だぜ。救ってみろよ、皆の未来をさ」

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月面。ロキはある地点を目指し、オーディンサンから逃げ続けます。

呪詛の言葉を吐きながら弟を追う兄。

そしてロキはついにたどり着きます。

かつてソーがその加護を失い、手にすることが出来ず放置された神のハンマー"ムジョルニア"のところへ。

そしてロキは思い出す。父神オーディンの言葉を。

『彼奴には手にする事適わん』

「父よ加護というものが有るならば、今こそ……」

 

そしてオーディンサンが近づいてきます。

「ロキよ。真実は見つかったか?

もうわかっただろう、

私がお前のことなど何とも思っていないことを!

父も、母もだ!

いい加減自覚しろ、

お前は我が血統の汚点でしかない!!」

「たとえそれが痛ましい真実だとしても……

ムジョルニアの加護は、今我にあらん!」

ハンマーを手にし、雷神と化したロキがオーディンサンに一撃を食らわせます。

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そしてアベンジャーズマンションにはスティーブとスカルがたどり着いていた。

「アーマーの補助があっても、この老体にはきついな」

「私の頭の中にあるシュミットの記憶には、そんなときほど強く立ち上がるのが君だとあるぞ」

スカルが肩を貸します。

 

しかし息つく間もなくアイアンマンやクルー達の追撃がかかります。

たちまち劣勢に立たされるスティーブ達。

アーマーはキャップのシールドに破壊され、流石のノーマッドもクルーには敵いません。

「おい、そこの老いぼれ。

お前の倅が真っ二つになるところを見せてやるよ」

クルーがノーマッドを引き裂かんその時です。デッドプールの声が聞こえてきます。

「うーん、陳腐な台詞って聴くに耐えないよね。

本当に見応えあるコマってのを見せたげて、兄弟」

デッドプールの首をぶら下げたアポカリプスが壁をぶち破りながらクルーを殴り飛ばします。

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そのままキャップ、ワスプらを独りで相手するアポカリプス。

「行け!こいつらは抑えておく!早くスカルを連れていくのだ!!」

 

スカルを連れて逃げる老スティーブとノーマッド。

脱出の要クインジェットにたどり着かんその時、眼前に現れたのはアイアンマンでした。

「小僧、貴様の出番など無いのだよ」

ノーマッドが飛びかかりますが相手にもなりません。

「トニー、聴いてくれ」

老スティーブの言葉も彼には届きません。

「私はもう、元の自分に戻ることなど考えられんのだよ」

アイアンマンのリパルサーがスカルを捉えんとする刹那、ラトベリアからドゥーム達が現れます。

 

「すまんなトニー・スターク。君の言う輝かしい転身は世界には不要なのだよ」

マグニートーが能力でアイアンマンの首を締め上げます。

それを見たスカルが声を上げます。

「やめろ!殺すんじゃない、エリック。

それでは私を殺した時と同じことになるだけだ。

君のその行動がオンスロートを生み出したのを忘れたか?

止めてくれ、旧き友よ」

その言葉にかつての友の声を感じたマグニートーは手を下ろします。

「とっととその呪文とやらを行え」

 

ブードゥーの兄ダニエルが操る混沌の魔法使いスカーレット・ウイッチ。

秩序の魔法使いDr.ドゥーム。そして世界最高のテレパスの脳を持つスカル。

全ての条件が揃った今、再度反転の呪文が行われようとします。

「良いか、この呪文は対象を選べん。

行えば反転した者は全員元に戻る。

我らも元のモンスターに戻るやもしれぬぞ。

この再逆転、良い結果ばかりでは無いと知れ」

ドゥームが念を押します。

「必要な犠牲だ。それでも今この状況よりは良くなるはず」

スカルがそれに答え、遂に呪文が実行されます。

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「やめろ!俺は戻らんぞおぉ」

ハボックがブラストを撃ち込みますが、そこをセイバートゥースが身を挺して阻みます。

アイアンマンの妨害もブードゥーが制します。

「早く!呪文の完成を!」

 再び生み出された混沌と秩序の逆転魔法はスカルのテレパシーで反転した全員に送り込まれます。

「やらせん!やらせる訳にはいかんのだよ!」

アイアンマンは最後の抵抗にとシールドを展開するのだった。

 

完成された呪文は全ての反転した者達の元へ届きます。

月面でムジョルニアを振り回していたロキは途端にその加護を失いハンマーを取り落とす。

そしてマンハッタンではワスプ、ルーク・ケイジらが元の様子に戻っていました。

ケイジはセイバートゥースの様子がおかしいことに気づきます。

「クリード、お前……」

「おかしいぜ、殺人衝動がねえ。

どうやらスタークのシールドのせいで正義の心が残ってるようだ」

同じことはハボックの身にも起きてました。

再逆転を免れたハボックはワスプを人質に取ります。

「ケイティが俺を待ってる!俺は行かなくちゃならんのだ!」

縮小化を強制し、その場から逃げ去ります。

 

幾つかの例外は有ったものの、元の鞘に収まったヒーローとヴィラン達。

安堵の空気が流れる中、マグニートーだけは事を案じていた。再反転を逃れ逃げおおせたトニー・スターク、再び悪に墜ちたDr.ドゥーム、そして姿を消したレッド・スカルのことを。

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<エピローグ1>

療養中のスティーブ、キャップ、ノーマッドはテレビのニュースを見ていた。

その内容はマンハッタンで行われたアベンジャーズとミュータントの戦い。

初めはミュータントの暴走と報じられていた件だったが、ニュースはあるビデオレターを紹介する。

カーネイジ、ホブゴブリン、セイバートゥースらが作成したそのビデオは

マンハッタンの騒動は我々『アクシス・オブ・イビル』が起こしたもので、

X-MENとアベンジャーズは我々の手の内で踊っていたものだという犯行声明だった。

当然、これは反転したカーネイジらがヒーローの罪を被るために作り上げた虚偽の物だった。

反転から戻ったキャップは異議を感じるものの、

これにて何とかアベンジャーズとX-MENの正義は保たれたのであった。

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<エピローグ2>

セイバートゥースは反転を逃れヒーロー性を保ったというものの、

その存在を危険視され収監されていた。

だが善人となった彼は敢えてその処遇をも受け入れるのだった。

そんな彼がある人物に手紙をしたためるシーンでこの物語は幕を下ろします。

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『新しい生活の一日目は長いんだか短いんだかわからん内に終わっていった。

だが反転効果が続いてるのは確かなようだ。

社会的病理なんてものじゃない、記憶と感情の洪水が溢れだしてくる。

殺人の記憶、そいつが俺の体をねじり上げ続けている。

他の所は変わらないのだがな。今はただ俺の痛ましい過去を明らかにし、

償いにかけたいという願望があるばかりだ。

 

悪い奴は、決して自分の悪さに気がつかないものだ。

人間は都合良くできてる、根っこの所は自分のことだけだ。

だがそれを認められる奴はそう居ないだろう。

簡単な生き方をしようとする人間そんなこと一切気にもかけん。

何をしても、その後のことなんか関係無いと思いこむんだ。

それこそがヴィランの生き方。

歯止めの利かない獣の生き方。

今までの俺の生き方。

 

そんな利己的な衝動と戦うには誰かしら規範が必要だ。

俺も世界を変えられる、そんな気にさせる奴。

ローガン、お前がそういう奴だったのかもしれないな。

俺は今、過去の自分と決別できるかの分水嶺にいる。今度は俺の番だ。

自分の中の獣と真正面から向き合ってみる番だ。

お前はそこから何を見つけた、ローガン。

俺もやってみる。

俺も見つけてみる。

お前のような生き方を』

 

 

長い戦いが遂に終わりました。

最終話はウルヴァリンの昔話から始まって何事かと思いましたが、エピローグの手紙へと続いていくのでした。手紙の文面はとても正しい訳、正しい日本語とは言えませんが、反転したクリードからローガンに宛てた言葉であることが伝われば幸いです。

 

イベントの総評としては『読み直して良かった』と感じた次第です。今回はリアルタイムで追っかけていたので最初読んだ時はあまり理解が進まず「3話までは物凄く盛り上がったのに、残りの6話は次の展開へのブリッジばかりで散文的だ」と感じていました。

ですが、今回紹介にあたり周辺情報も含めて調べて読み直したところ、最終三話に詰め込まれた盛り上がりポイントにようやく気付いたというところです。

 

最終シーンでセイバートゥースの手紙が書かれてるシーンでは、各背景として各キャラの今後の動きが描かれていたのですが、これに関してはマーベル公式で公開されていた「アクシスがもたらしたもの」という記事と絡めて、後日紹介したいと思います。

アベンジャーズ誌のイベント「タイム・ランズ・アウト」と重なった影響か全てのキャラが活躍したとはいかなかったアクシスですが、セイバートゥースやロキ、デッドプール&エヴァンに興味がある方にはおすすめできる物語だったと思います。

 

 【登場キャラクター】

キャプテン・アメリカ、クルー

アイアンマン、オーディンサン

セイバートゥース、ロキ

ハボック、アポカリプス

ワスプ、レッド・スカル

 

<AXIS単行本情報>

ハードカバーは3/10発売の予定。下は英国仕様の独自ペーパーバック(パニーニブックス版)となっています。 

Avengers & X-Men: Axis

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Avengers & X-Men: Axis (Avengers the X Men)

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