Uncanny Avengers #5
10月に入り、マーベルコミックスにてアベンジャーズとX-MENのクロスオーバー企画「アベンジャーズ&X-MEN AXIS」が始まりました。
ユニバース全体を巻き込む大イベントな上、90年代のマーベル読者には懐かしいオンスロートの登場ということで、私の周り(TwitterのTLや各アメコミブログ様)でも今までに無いくらいの盛り上がりを感じています。
そこでこの流れに乗って、このAXISに繋がって行くストーリー「Uncanny Avengers」の紹介をいたします。X-FACTOR紹介も重要なところでは有るのですが一端お休みをいただいて、たまには流行に流されてみようと思います。
Uncanny Avengersの#1~4については既に各所で紹介されておりますが、中でもこちらの紹介が詳しくなっております。
http://rfd.blog1.fc2.com/blog-entry-603.html
http://rfd.blog1.fc2.com/blog-entry-613.html
http://rfd.blog1.fc2.com/blog-entry-628.html
http://rfd.blog1.fc2.com/blog-entry-632.html
実のところ、AXISに係るレッドスカルやオンスロートについては4号までで予告をやりきってしまっている状態で、この5号からは別のストーリーが展開されていきます。AXISのためと言いながら個人的にはこのアポカリプス・ツインズのお話を紹介したいだけかもしれません。
【 登場キャラクター】
ハボック、キャプテン・アメリカ
ワスプ、ワンダーマン
ローグ、スカーレット・ウィッチ
ウルヴァリン、サンファイア
征服者カーン、ジェノサイド
グリム・リーパー
北極の地下にあるアポカリプスの作った都市アッカバ・シティ。
そこで二人の赤ん坊が生まれた。
アポカリプスの後継者たるアークエンジェルと、疫病の名を冠するホースメン・イチスミの間に生まれたこの双子はウリエルとエイミンと名づけられ、アポカリプスの遺児として大切に育てられることとなった。
しかしそれが気に入らないのがホースメンの一人ジェノサイド
「アッカバに必要なのは赤ん坊などではない。皆を率いるリーダーだ!
この俺こそがアポカリプスの真の後継者なのだ!」
「そんなこと誰も聞いてないぞ、ジェノサイド」
仲間からも冷ややかに返されます。
しかし、そんな周囲の目を盗み、征服者カーンが双子を攫って行ったのであった。
アベンジャーズマンションでは、新しいチームに招聘されたワスプとワンダーマン
が到着していた。一度はアベンジャーズに見切りをつけていたワンダーマンを何とか宥めながら連れてくるワスプ。
「なんだ、ジャービスは居ないのか」
「そうね、昔とはちょっと違ってるかもしれないわね。
今のこの環境はワンダ(スカーレット・ウィッチ)にはちょっと堪えるかも。
ワンダは多くミュータントから未だに不信を買ってる。
・・・言ってしまえばアベンジャーズからもね」
「俺がここに来たのはワンダのためじゃない、アベンジャーズとの友情があるからだ。
別に彼女のお守りに来たんじゃない」
「ええ、それは分かってるわ。
でも、やっぱり今のワンダには古くからの馴染みでもある貴方が必要なのよ。
彼女を色眼鏡で見ないであげて。
そりゃ、私だってこのチームがどうなるかわからないわ。
でもX-MENだって多くの困難を乗り越え・・・」
そう言いながらマンションに入るとローグがアベンジャーズの肖像画を下ろしてエグゼビア教授の写真を飾ってました。
「なにやってるの?貴女!」
さっそくローグと衝突しかけるワスプ。
なんとかそこに割って入るハボック。
「や、や、彼女もまだ教授の件をひきずってるとこがあってね。
ちょっと気配りが足りなかったよ。
新しいPRチームの件、期待してるよ」
一方、ワンダもまたキャプテン・アメリカに不平を漏らしていた。
なぜミュータントであるハボックがリーダーなのか、長くアベンジャーとして活動してきたメンバーを差し置いてなぜ彼なのかと。
それは不平だけでなく、自分がX-MENとやっていけるかという不安も含んでいた。
時を同じくして東京。
アポカリプスに利用され、さらにはシニスターにも加担してしてしまったサンファイアは、自棄に陥り酒びたりの生活をしていた。そんな彼の元にウルヴァリンがアベンジャーズの加入を勧めに来た。
「よせ、サンファイアなんて男はもう居ないんだ」
相手にしないサンファイアだったが、彼の恩師チャールズ・エグゼビアがレッドスカルに蹂躙されていることを聞くと、決意を新たにするのであった。
数日後、大勢のメディアの前でキャップは新たなアベンジャーズの発足を発表していた。リーダーとして紹介されるハボック。彼はメディアに向けて話し始めた。
「皆さんこんにちは、アレックス・サマーズです。
私はかつて故チャールズ・エグゼビアの元で指導を受けていました。
このチームは我々にとってもアベンジャーズにとっても、その夢を具現化したチームと言えます。
先日、兄であるスコット・サマーズは強大な力に飲みこまれながらも、この世界から差別を取り除こうとしました。
しかし、それは傲慢だったと私は思います。
私自身、自分が差別の対象であると感じたことはありません。
X-FACTOR遺伝子を持つことで、不自由を感じたこともありません。
差別を生むのは”ミュータント”という言葉そのものなのです。
その考え方自体が大きな差別を生み出してきたのです。
私達は等しく同じ種族なのです。人間なんです。
人間は皆、自分の意思で考え、生きている筈です。
決して遺伝子によって決められているものではないはずです。
どうか、私達を”ミュータント”と呼ばないでください。
”M”の言葉を認めないでください」
そこにプレスの記者が質問をします。
「ミュータントと呼ぶな、と。それではなんと呼んだらいいんですか?」
ハボックは涼しい顔で答えます。
「アレックス、でいいじゃないですか」
「ならばアレックスよ!そこにいる女の責任はどうとるつもりなのだ!人の人生を、生き死に無碍に操るそのミュータントの魔女を!?」
その時、記者会見場に潜んでいたグリム・リーパーが姿を現し、壇上のスカーレット・ウィッチに向かってきた。ワンダを守ろうとワンダーマンがやられ、ウルヴァリン、サンファイアと次々と吹き飛ばされていく。かろうじてローグがワンダーマンからタキオンエネルギーを吸収し懇親の一撃を加える。しかし、それはヴィランの死というチームの発表会としては最悪の結果となってしまうのであった。
アンアベ新ストーリーは悪役カーンの登場とメンバーの追加話。プロローグで出てきたアッカバシティの面々はライターのリメンダーが以前筆をとっていたUncanny X-FORCEにてアークエンジェルがアポカリプスと化したときに出てきました。いつの間にか子供なんて作ってたのかと思う暇も無く、生まれた双子は黒幕カーンに攫われていってしまいます。
ローグの殺人についてはミュータントと差別って話をした直後にやらかしちゃって冷や冷やしてしまいますが、そちらはあまりストーリーに絡むことは無く、むしろグリム・リーパーさんの再登場のお膳立てをさせられたと言ったところ。
ワンダーマンは今の邦訳でも触れられてたかと思うのですが、アベンジャーズという体制にはほとほと辟易しているところ。そうはいいつつ友人のためワンダのためにしぶしぶ参加しているといったところでしょうか。
そしてアベンジャーズお得意のチーム発表会とハボックの演説。この演説はイラストのコイペルの筆もあってとても印象的。ハボックがこんなに出世するなんて・・・。
コイペルの絵と言えばよかったのがローグとワスプの喧嘩シーン。ワスプのジト目が可愛い。