シークレットウォーズ関連誌「フューチャーインパーフェクト」の第一話が刊行されました。本誌はピーター・デイビッドが脚本と言うこともあり、以前にも軽く触れておりました。今回は本誌の内容を簡単に紹介したいと思います。
暴君マエストロが支配するディストピア。
その荒野を1人の女性が歩いています。
彼女はルビー・サマーズ。漆黒のオプティックブラストを放ち
生体ルビーの身体を持つ戦士である。
そんな彼女が荒野の真ん中で遭難している老人を助けます。
眼帯に立派な髭を蓄えたその老人は自身を「オーディン」と名乗るのであった。
「嘘はいっておらん、かつては神として栄えたこともあった。
ソー、奴は儂の息子じゃ…」
「ソー?ソーってドゥームの近衛兵のソーズってこと?」
「彼奴らは違う。あれは儂の力を盗んだ連中じゃ…」
そんな話をしながらもルビーは老人を街に連れていく。
混沌とした荒野の街でルビーは仲間のジャニス・ジョーンズと合流する。
彼女に連れられて秘密基地に降りていくルビーと老人。
そう、ジャニスやルビー達はマエストロの支配に立ち向かう反乱組織だったのだ。
基地に降りたジャニスは老人をテレパシーにかける。
反乱組織としては当然の防衛策だ。
しかし老人の脳内を探査したテレパスが悲鳴を上げて昏倒する。
「こいつ!オーディンじゃない!!」
ジェニーが武器を構えて老人に襲い掛かる。
「ほっほっほ、その通り。儂はオーディンなどではない」
眼帯を取って両目を開いた老人はみるみる緑色の巨人に変わる。
「そう、本当の名前はロバート・ブルース・バナー。
人は儂をマエストロと呼ぶ!!」
正体を現したマエストロにルビーが立ち向かう。
全開のオプティックブラストがマエストロの全身を焦がす。
だが、その歩みを止めることはできず、マエストロの巨大な手に掴まれてしまう。
そのまま叩きつけられた彼女は、生体ルビーの身体にひびが入るほどのダメージを負う。
他の反乱軍が一斉射撃をマエストロに撃ちこむも全く効いてる様子は無く
衝撃波一撃で全員が吹き飛ばされる。
「くっ……まだ、まだ終わっちゃないよ…」
這いつくばるジャニスの武器を踏み折るマエストロ。
「心配するな、貴様だけでなく反乱軍全員仲良くあの世に送ってくれるわ」
マエストロが迫るその時、背後から声が上がります。
「ちょっと待ちな!今すぐその緑のドヤ顔を吠え面に変えろうじゃないの!!」
「ボス!!」
ジャニスの顔に精気が戻ります。
マエストロが振り返るとそこには反乱軍のリーダー、”ザ・シング”その人が立っていた。
リック・ジョーンズの子孫であるジャニスの登場など、かつてのフューチャーインパーフェクトの設定を踏襲しつつも、ルビー・サマーズや”ザ・シング”ことベン・グリムを登場させてバトルワールド独自設定を出している本作。
暴君マエストロがオーディンの名を騙って反乱軍に潜入するというストレートなストーリー。おそらく第二話はマエストロvs.シングとなるのでしょう。
ちょっと気になったのは前半のオーディン(偽)とルビーの会話。「ドゥームが抱えてるソーズは儂から力を盗んだもの」というまるでEARTH-616設定を踏襲しているかのようなセリフ。まああまり気にしすぎてもいけないところかと思いますが、バトルワールド内にも正史世界の記憶を持つものが居るのかどうかは気になるところです。