X-FACTOR11巻は今までとちょっと趣旨を変えてのオカルト編。オカルトというか地獄の女神ヘラ(Hera)と対決します。
#207
X-FACTOR探偵社に一人の依頼人がやってくる。セレブ風なドレスをまとうその美女はハルヤ(?Halja)と名乗り、一人の男と彼の持っているペンダントを探して欲しいと告げる。メロメロなロングショットを尻目に、マドロックスとテレサは早速調査に出かける。酒場で見つかったその男からペンダントを奪うと、男は姿を変える。とがった耳と毛むくじゃらの短躯、ピップ ザ トロル(Pip the Troll)であった。
一方、衰弱しきったバロン・モルドの周りにはモネとその父親、グイド達が集まっていた。危険だという周囲の反対を押し切って、約束通りモルドに力を与えるモネ。復活したモルドは狂ったように高笑いをしながら何処かへ去って行った。
そして、能力を無くしながらも探偵社で活躍するリクターは射撃場で拳銃の訓練をしていた。しかし恋人のシャッタースターがその超人的な能力で軽く拳銃を扱っているところを目の当たりにすると、何ともやりきれない気分になるのであった。
そんな二人が部屋に戻りベッドの上で服を脱ぎ始めると、ちょうどそこにリクターの元彼女レーンが入ってきた。
#208
モネはレイラにDrドゥームの元で何をしていたのだと突っかかるがモルドに力を与えた影響で昏倒してしまう。心配して駆けつけるグイド。このあたりに二人の関係の変化が見える。さらにここでレイラの予言が
「あ、そういえばレーンが帰ってくるわよ。リクターのところへ向かってる。」
「リクターって…、あいつ今シャッタースターの部屋に居るんだぜ!」
「何か問題でも?」
「いや、問題って…」
その部屋の中。狼狽するレーン、「やあ、君も混ざるかい?」といつもの調子のスター、レーンの膨らんだお腹を見てさらに狼狽するリクター。キレたレーンはスターに飛び掛り、乱闘しながら階下へ落ちていった。ちょうどそこに帰ってきたロングショットとダーウィンが仲裁に入り事情を聞くも、レーンは「お腹にはリクターの子が居るの…」と嘘をついてしまう。
一方マドロックスとテレサはピップ相手に酒場で大立ち回りを演じる。ピップを確保するも依頼人ハルヤを怪しむマドロックス。そこに暗黒の煙を携えて彼女が現れる。ハルヤは死の女神ヘラだったのだ。
テレポートで逃げようとするピップだったが、神の力を持つヘラは消えたピップを虚空から引きずりだす。そして「ペンダントはお前らが持ってくるのだ」と言い残して彼を連れて行ってしまったのであった。
始まりは探偵稼業と思わせておいて、ピップ・ザ・トロルやヘラといった今までのX-FACTORとは縁のなさそうなキャラが登場して始まった本編。次回は舞台をラスベガスに移します。
今回の話ではリクターとスターのゲイネタが目を引くところでは有りますが、以前から語られ続けている「能力を失ったリクターの心境」がピックアップされてるところも見どころではないかと思います。
それとレーンの妊娠はこの話から少し前、X-FORCE誌に参加していた際にニブルヘイムの狼男Hrimhari(フリム ハリ?カタカナ表記は無理か)との間に子供をもうけたそうです。この辺りは未読なので省略。