スパイダーバース #2【アナーキー スパイダーパンク】
先日のMUピックアップでも紹介いたしました「Spider-Verse #2」から、今回はスパイダーパンク様の活躍する「The Anarchic Spider-Man」を紹介したいと思います。
Earth-138。
街頭テレビからは大統領を讃える放送が雑音混じりに聞こえてくる。
「おはよう市民の諸君!今日もオズボーン大統領のおかげで太陽が昇りました!
本日も街の暗闇に隠れ住むゴキブリ、ネズミ、
そして汚いクモの連中を皆で叩き潰しましょう!!」
そんな街の一角では反体制派のグループが警官隊と睨みあっていた。
反体制派組織スパイダーアーミーを率いるのは我らがスパイダーパンク。
”俺はラジオアクティブ スーサイド マシーン。
そして俺と共に戦ってくれるこいつらは所詮ロックしかない最下層の負け犬達だ”
睨みあいの中、アーミーの一人キャプテン・アメリカが警官隊に唾を吹きかける。
対する特殊警官隊を指揮するのはオズボーン大統領本人。
警官隊はオズコープの開発した特殊スーツ
「Variable Engagement Neuro-sensitive Organic Mesh(V.E.N.O.M)」
を装備したサンダーボルト部隊だった。
先頭に立つノーマン・オズボーンが大声を張り上げる。
「スパイダーマン!今日こそは観念してもらおう。
我々はただ偉大なるアメリカの秩序を保ちたいだけなのだ。
そう、この高潔な世界にパンクの精神は不要なのだ。
汚物は……消毒しないとな」
オズボーンの号令に合わせてV.E.N.O.Mを纏い突撃する警官たち。
「戦線を死守しろ!」
キャップが檄を飛ばす。
”俺たちには地位も力も何も無い”
アーミー達がトレーラーのシャッターを上げる。
”メディアも警察も俺たちの味方では無い”
「ワン!ツー!!」
キャップが合図をとる。
”俺たちにあるのは怒りの炎だけだ!”
「ワン!ツー!!」
アーミー達が合いの手をあげる。
”拳を突き上げ、怒りに身を任せろ”
「ワン!ツー!!スリー!!!フォー!!!!」
トレーラーの巨大スピーカーの上でスパイダーパンクがギターをかき鳴らす。
15,000ワットの大音量がV.E.N.O.Mのコントロールを狂わせる。
「行け行けいけいけ!反撃だ!!」
キャップの号令一閃、大音量に悶える警官隊に襲いかかるスパイダーアーミー達。
倒れこむオズボーンの前に立つスパイダーパンク。
瀕死のオズボーンが怨嗟の声を上げる。
「く、こんな事で勝ったつもりか…」
「他に言い残したことは無いか」
ギターを振り上げるスパイダーパンク。銃を抜くオズボーン。
「…ぶち殺す」
「もっと他に言うことは無いのかよ!?」
パンクのギターが振り下ろされるとオズボーンの頭と体が永遠に別れを告げる。
”まだまだまだまだ!もっと盛り上がろうぜ!兄弟!!”
その様子を離れて見ていた男が一人いた。
「怒りの力か。完璧だな」
同じく蜘蛛のマスクを被った男はスパイダーパンクに合格に印を押すのだった。
アートといいテキストといい、最高なスパイダーパンク様の前日譚でした。紫をベースに描かれるパンクな世界が最高にロックです。
個人的に注目したいのはスパイダーアーミーの一人キャプテン・アメリカ。単なるコスプレ兄ちゃんに見えますが、長めの髪に四角い眼鏡、そして反体制な心意気……どうしても光画部の鳥坂先輩に見えてしまいます。
- 作者: Dan Slott,Christos Gage,David Hine,Fabrice Sapolsky,Giuseppe Camuncoli,Adam Kubert,Richard Isanove,Robbi Rodriguez
- 出版社/メーカー: Marvel
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