アメイジング X-MEN #18 ジャガーノート復活編
「AMAIZING X-MEN」#18の紹介です。
ジャガーノートの力を得たのはなんと巨大化能力を持つリビング・モノリス。巨大な肉体と静止不能の力、最高の組み合わせに一同は対抗できるのでしょうか。
前段:アメイジング X-MEN #17 ジャガーノート復活編 - Children & Weapon Smith
突如現れた山より大きなジャガーノートに、
東南アジアのリゾートビーチでくつろぐ人々は逃げ惑う。
這う這うの体で崩れ落ちた塔からはい出したロックスライドは
今度は頭上を覆い尽くす巨大な足の裏をすんでのところで避ける。
「おい!そいつは俺のもんじゃ無かったのかよ!?ドロボー野郎!!」
「ロックスライドの奴は無事みたいだな」
ナイトクローラーが言います。
「でもあの3000フィートはありそうなジャガーノートをどうやって止めようっていうの?」
「バカ言うなよファイアスター、せいぜい800フィートくらいだろ」
「奴はまだ成長してるはずよ。
リビング・モノリスは宇宙からのエネルギーを吸収して体の大きさを変えるはず、
かつては惑星ほどの大きさになったこともあるのよ」
以前戦った経験のあるストームが言う。
「冗談じゃないな」
「頭の中を読み取ろうとしたけど、あのヘルメットに阻まれてるようね」
レイチェルが捕捉します。
「ストーム先生!どうするんですか」
ピクシーがこの場の指揮官であるストームに泣きつきます。
「そうね…。とりあえず座ろうかしら。疲れちゃったわ」
余りに巨大な相手に自棄的になるストーム。
メンバーもそれに従って一服つき始めます。
そこに戻ってきたロックスライド
「おいおい、俺が10フィートはある足の裏に踏みつぶされそうだったってのに
何みんなでまったりしてるんだよ」
「俺に聞くんじゃないよ、坊主」
誰も反応しないので仕方なく答えたのはケイン・マルコだった。
「ねえノーススター、アルファフライトではあれだけ大きな敵と
戦ったことはあるの?」
「でっかいウェンディゴなら先週戦ったばかりだけどな」
ファイアスターの問いに皮肉で応えるノーススター。
「ニューX-MENでもあんなに大きな奴とは戦ったこと無いよねえ。
宗教じみた連中とか、未来から来たロボットとか、生体金属の獣とか…
でっかい奴はいなかったね」
「あんなでっかい奴、マシュマロなんとかしか知らねえよ」
と、こっちはピクシーとロックスライド。
「以前リビング・モノリスに対処したのは誰だったんだ」
「たしかソーが別宇宙だかなんだかで対処したんじゃなかったっけ」
「ジャガーノートをやっつけた人と言えば?」
「スパイダーマンでも呼んでくるか」
アイスマンの軽口に答えたのは意外にもケインだった。
「あいつは偶然止められただけにすぎん」
「ジャガーノートの力の源は魔法なんでしょ?魔法の得意な人に頼むってのは?」
「ワグナー、スカーレット・ウィッチの番号知ってるか?」
「そういえばかつては妹のイリアナのおかげで助かったことがあるな。
彼女のソウルソードは僕とサイトラックの力を切り離してくれた。
だが今回はサイズが違う…」
コロッサスが付け加える。
「ソウルダガーならあるよー」
ピクシーが軽く声を上げる。
「いいね。じゃあちょっと行って止めてきてくれよ。
俺たちはここで待ってるからさ」
「意地悪言わないでください」
アイスマンのちょっかいもいなされるのであった。
「でも、本当にリビング・モノリスでいいのだろうか?」
「どういうこと、ピエトロ?」
「いや、サイトラックが求めたものと、リビング・モノリスが求めた力は
必ずしも一致してないんじゃないかなって」
コロッサスが提案します。
「サイトラックが求めるものってのがわかるのか?
混沌、混乱、破壊、恐怖…」
ケイン・マルコがさらに聞きます。
「それはそうなんだけど。
サイトラックの仕掛けたゲームはまだ終わってないんじゃないかな?
もう一度奴の呼びかけに応じてみるという手もあるんというか…」
コロッサスの提案に仕方ないという雰囲気でストームが動き出す。
腰を上げたX-MENは再びジャガーノートと相対します。
ストームとファイアスターが上空から遠距離攻撃。
アイスマンの氷とノーススターのブラストの光で敵の目をくらまします。
その隙にナイトクローラーがロックスライドをジャガーノートの
頭上まで運び、爆発させる。が、手ごたえは今一つだった。
「それで私たちはどうやってサイトラックにアクセスするの?」
残ったレイチェル、ピクシー、コロッサス、ケイン・マルコは
再びサイトラックに接触できないか試してみます。
「サイトラック!僕の声が届いたら答えてくれ!!」
コロッサスが声を張り上げます。
「アクセスって、空に向かって大声出すってことなんですね」
「もっと他に方法が…」
なかば呆れ顔のレイチェルとピクシーだったが、
次の瞬間二人の目つきが変わり、同時に声を発します。
「「我を呼んだか?」」
「通じた!?」
気が付くと4人はクリムゾンコスモスに立っていた。
眼前には玉座に鎮座する邪神サイトラック。
「我が化身よ、我が失敗作よ。貴様らにもう用は無いぞ。
新たなる下僕は十分に我が力を振るってくれるようではないか」
「本当にそうかな?邪神よ」
コロッサスが応えます。
「破壊、恐怖、混乱…人の世に力を誇示することが本当の貴様の望みなのか」
「…何が言いたいのだ人間よ。新たな下僕は十分にそれを果たそうとしてるぞ」
「僕はお前の力を持って、お前自身、サイトラックを殺す為に力を使おう。
僕に力を与えろ。これこそが今までになかった最高の破壊だろう。
これこそが真の静止不能の力と言う事だろう?」
コロッサスが邪神に詰め寄ります。
サイトラックは一つ息を飲むと両手を広げて言い放ちます。
「なるほど、わかった」
すると巨大なジャガーノートは赤く光出し、
次の瞬間今までのリビング・モノリスそのものの姿に戻っていた。
そして同時に虚空から真っ赤な光が漏れ出し、そこから弾丸のように
1人の男が飛び出してきた。
「俺がジャガーノートだ!!!」
その弾丸はリビング・モノリスの胸中ど真ん中に命中すると、彼を打ち倒す。
そのまま渾身の力を込めて両腕を打ち下ろすとリビング・モノリスは
二の句も告げられぬまま物言わぬ状態と成り果てていた。
「コロッサスが成功したの?」
「いや、そうじゃないようね」
X-MENの前にクリムゾンコスモスから帰還したレイチェル、ピクシー、
そしてコロッサスが現れた。
新たなるジャガーノートが立ち上がり、X-MENの前に現れる。
「作戦は成功した。サイトラックは我々の意見を受け入れた。
だが、依代は思った通りにはならなかったようだがな」
粉塵の中から現れたのは新たな姿をまとったケイン・マルコ、
静止不能の力を得たジャガーノートが現れるのであった。
巨大ジャガーノートとの戦いは正面切っては敵いませんでしたが、裏からその力を籠絡し、解決するという手段に出ました。途中まで再びジャガッサス誕生の流れかと思われたのですが最後にサイトラックが力を与えたのはケイン・マルコでした。
今回面白いと思ったのは巨大な敵を前にしたストーム達X-MENの態度。まさかリーダーが率先してやる気なさを見せるとは。たき火を前にまったりしつつ過去の戦いや、所属チームでの戦歴を語るシーンは雰囲気も良い上にX-MEN知識としても楽しめる貴重なシーン。#15では怒ってばかりのストームに感情移入できないところがありましたが、今回の態度は凄く良かった。
それとソウルダガーを火かき棒のように扱うピクシーがやっぱり可愛いのです。今作でのクリストファー・ヨーストのピクシーの描き方は素晴らしいの一言です。
Amazing X-Men Volume 3: Once and Future Juggernaut
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