Children & Weapon Smith

MarvelComics(主にX-MEN)の紹介をしているブログ

サイクロップスから全てのミュータントへ!アンキャニーX-MEN #600

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11月の頭にマーベルナウ!から始まったアンキャニーX-MENとオールニューX-MENの最終回となるUNCANNY X-MEN #600が遂に刊行されました。今回はそちらを紹介したいと思います。

 

ブライアン・マイケル・ベンディスが担当したX-MENの総決算となる本誌は、シリーズ中に整理されていなかった事象を次々と片付けて行きます。挙げてみますと

  • ビースト、シリーズ中の様々な失敗を全X-MENから糾弾
  • キティ、マジック、コロッサスの和解
  • ヤング/カレント アイスマンの同性愛嗜好について
  • サイクロップスのミュータント革命

中でも個人的にぐっときたのは、サイクロップスのミュータント革命に対するけじめの付け方。以下に簡単に内容を紹介したいと思います。

 

 

ビーストの件でジーン・グレイ学園のロビーに集まっていたX-MENに向けて、セレブロがワシントンD.C.に大量のミュータントが集まっている事を告げます。

X-MENがワシントンにテレポートするとそこには地球上全てとも言える大勢のミュータント。

「どういうこと?」

思わずストームが洩らします。

それは大勢のミュータントを前に、サイクロップスがスピーチをしている所でした。

「……たった今、我々ミュータントの最高の指導者であるX-MENも来てくれました。

これで全世界が注目するこのワシントンD.C.に、

我々ミュータントが全員集結した事になりました。

この瞬間からミュータントの革命は始まるのです」

サイクロップスはミュータントの大群衆を前にスピーチを続けます。

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「私、スコット・サマーズは数々の失敗を乗り越え、ようやく皆さんの前に

ミュータントの革命をお見せすることができました。

そう、革命です。

この言葉は人によって様々な意味、様々なあり方を持つ言葉だと思います。

ある時は栄誉を持った言葉に、ある時は恐怖を伴う言葉に、

そしてある時はテロリズムを象徴する言葉として使われることもあります。

私は革命を宣言したとき、その言葉の『意味』を考えていなかった。

ただ、行動の結果ばかりに気が行ってしまっていたのです」

自らの行いを省みつつ、サイクロップスは目の前の群衆を見渡します。

 

「そして、今それが成された。

今目の前に広がる光景こそが革命なのです」

そこにはサイクロップスの仲間達も居れば敵対する者も居た。

理解しあえる者も、すれ違って行ってしまった者も居る。

「たった今、世界中のミュータントは一人残らずここに集結した。

民主主義の象徴であるワシントンD.C.の議事堂前にだ。

皆、この状態を見てくれ。

耳を傾けて聞いてくれ。

今この場には何も起きていない。何もだ」

サイクロップスはさらに続けます。

「人々がミュータントに抱いている最大の恐れは何だ?

それは我々が徒党を組んで人間を攻撃するということ、

そして旧人類に取って代わって世界を支配することだ。

そして今、我々はここに集まり、団結し、何も起きていない。

素晴らしい事じゃないか……」

 

そこへ一人の男が現れます。

「スコット・サマーズ、これはどういうことだ?」

マグニートーです。

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「マグニートー……エリック、待っていたよ。

ミュータントは人類の脅威たりえない、そのデモンストレーションをやっていた。

この場にあなたは不可欠だ。

あなたを筆頭にミュータントが団結する、しかしそれは何の脅威でもありえない。

それを世に知らしめてくれないか」

このやり取りに周囲のミュータント、特にX-MENはざわめきます。

 

サイクロップスの前に降り立ったマグニートーは口を開きます。

「最後に日和ったな、スコット・サマーズよ。この愚か者め」

そして彼の肩に手を置きそっと囁きます。

「だが、チャールズ・エグゼビアがこの光景を見たら歓喜するだろうな」

その言葉を聞いたサイクロップスは晴れ晴れとした表情で顔を上げます。

ミュータントは人類の脅威とはなりえない。

それを示すことで、サイクロップスの革命は成し得たのであった。

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5ページにわたるサイクロップスの独演でした。三年間の連載で目指したものをこの喋りだけでまとめてしまうのはいささか性急に感じた物の、その内容はぐっとくるものがありました。

特にマグニートーが現れてからの緊張と、最後の一言は素晴らしいですね。マグニートーの口から「チャールズ・エグゼビアが見たら喜ぶぞ」だなんて。なんという保護者感あふれる言葉でしょう。

 

ですが、この感動のスピーチの号と同じ日に発売された新連載「エクストラオーディナリーX-MEN」では一転してミュータントが人類の脅威となってしまっている状態からスタートしております。まあ無限に続くアメコミのスタイルではしょうがない事なのですが、そんな内容だったらこの600号はシークレットウォーズの前に出しておいてちょうだいよと思ってしまうのでもありました。

 

アイスマンとエンジェルの短編もついて全49ページ。

Uncanny X-Men (2013-) #600

Uncanny X-Men (2013-) #600

 

 

そしてミュータント発症の病M-POXが人類を脅かす。

ジェフ・レミーアが描く新連載エクストラオーディナリーX-MEN。

Extraordinary X-Men Vol. 1: X-Haven

Extraordinary X-Men Vol. 1: X-Haven

 

 

 

 

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