アメイジングスパイダーマン #11 (スパイダーバース 第3話)
スパイダーバース第3話の紹介です。ピーター・パーカーとスペリアー・スパイダーマン。どちらもEarth-616のスパイダーマン同士ですが、ついにその対立が顕在化します。
前段はこちら
「リーダーはお前じゃない。この僕だ」
スペリアー・スパイダーマンことドクオック・ピーターの声に対し、
我らがピーター・パーカーが堂々と言い返す。
「僕はあのインヘリターと戦った経験もある」
UKに言われたことに自覚を得たピーターが言うと
「ナンセンスだな。私はここ数週間奴らの事を研究し続けた。
それに私はお前よりも未来のピーターだ。
総合的に見ても私がお前よりも”スペリアー”なスパイダーマンなことは自明だ」
ドクターオクトパスらしい独善的な態度でスペリアーが言い放ちます。
「それに貴様がリーダーシップだと、ハッ、笑わせるな!
必要な時に非情な判断もできない奴が我々を率いるなど……」
ドクオック・ピーターが言い終わらぬうちにピーターの手が出ます。
(未来の自分に青アザが残るかもしれないけどここは殴ってもいいとこだよね)
これを皮切りにピーターとスペリアーの戦いが始まります。
「止めなくていいんですか?」
スパイダーガール(メイデイ)がコズミックに言います。
「いや、こういうのはここではっきりさせておいた方がいいだろう」
セーフゾーンの守護者は見守るだけだった。
激しいタイマン勝負の中ピーターがある案を思いつきます。
急に降参のポーズをとりスペリアーの前に棒立ちになります。
「わかった、お前の勝ちだよ。さあ殺せ」
「なんだって?だがお前は過去の俺……殺すわけには」
ピーターが自分より過去の時間軸の存在だと勘違いしているスペリアーは動きを止めます。
そこにピーターの蹴りがクリーンヒット。ドクオック・ピーターをK.O.します。
「インヘリターとの戦いは殺しで解決する問題じゃないんだ。
もっと根本的な解決方法を見つける。これが僕のリーダーシップだ」
Earth-001ホームワールド。
インヘリターの宗主ソーラスがグレートウェブを眺めていた。
彼の眷属カーンがライカンスロープ・スパイダーを仕留めるのを見た彼は
マスターウィーバーに更なる獲物を与えるよう命じる。
そして傍らにいたモーランに声をかける。
「カーンは成果を上げておるぞ。お前はこんなのところで何をしてる?
”花嫁”、”子孫”、”異端”、予言に必要なトーテムの居場所はわかってるのだぞ」
「しかし、父上。奴らの居るEarth-13は中々に手出しが……」
「儂に手出しできぬところなどないわ。
モーラン、ジェニックスを呼んでまいれ。儂自ら奴らの希望を砕いてやる」
ピーターは目が覚めたスペリアーに対し、対インヘリターの技術の必要性は認める。
ドクオックの性格を熟知したピーターらしい落としどころの付け方だった。
ピーターはリーダーとして一つの案を提案する。
それはコズミックスパイダーマンの力に頼ってセーフゾーンに籠るのではなく
解決方法を探しに探索を続けようというのだ。
まずは2099に状況を確認する。
「今はデイモスの死体の運搬で手を離せない。zzzzっと、トンネルzzz電話が」
と言って通信を切られるピーター。
「トンネルって……これ次元も超えて通信できる機械でしょ。
それからピーターはアーニャとグウェンに声をかける。
「僕と一緒に着いてきてくれ。シルク達のバックアップが必要だ」
そして次はマイルス・モラレスとアニメ”アルティメットスパイダーマン”の世界から
やってきたスパイダーマンに声をかける。
「君たちには特別任務だ。
このポータルジャンパーとクローキングデバイスを渡すから、
多くの世界を渡って援軍をあつめてくれ」
ここにティーンズ・スパイディコンビが誕生する。
「残りのみんなは待機しててくれ。
UK、僕が戻るまでの間みんなの取りまとめを頼む」
そう言ってピーター達のチームとティーンズのチームはポータルに飛び込んでいった。
「てことは次はお前と対決すればいいのか?」
スペリアーが冗談ともつかぬことを言う。
「笑えない冗談だな」
「だろ?」
ちょっとばかり気が重いUKだった。
Earth-67。
仲間を探しに来たティーンズ・スパイディのコンビは新たな世界に来ていた。
「なんだ、この世界は?」
「パステル調の色使い…、これはカートゥーンの世界だな。
しかもこの線の感じ、60年代アニメだな」
さすがのアルティメットスパイダーマン、アニメの世界については詳しい。
「なんでわかるのさ」
「だって下を走る車の古さとか、周りの人が着ている服の雰囲気でわかるだろ
Yes!グループサウンズの世界へようこそ!」
アニメの雰囲気そのままに突然衣装を変えるアルスパピーター。
「え、今のどうやってやったの?」
コミックの世界のマイルスには敷居が高かったようだ。
二人はこの世界のスパイダーマンを探しに、デイリービューグルに向かうのだった。
(このストーリーはスパイダーバース チームアップ #2に続く)
そしてEarth-13に残ったスパイダーマン達は一斉に協力なスパイダーセンスを感じる。
グレートウェブから現れたのはモーランとジェニックス、
そしてインヘリターの宗主ともいえるソーラスだった。
早速、二人の犠牲になるキャプテン・スパイダーとスパイダーモンキー。
「貴様らいい加減にしろ!!」
コズミックスパイダーマンがエニグマフォースを炸裂させると、
一撃でジェニックスが倒される。
「わざわざ大勢でここに来たようだが、やられに来ただけだな」
コズミックは凄むがソーラスも負けてはいない。
「儂らを見くびるなよ愚かなトーテムよ。インヘリターは死をも超越した存在ぞ」
ジェニックスがやられた瞬間、Earth-802のバクスタービルディングでは
あらたなジェニックスのクローンが目覚めていた。
「ジェニックス閣下、ご無事ですか」
「……スミス、マディソン、ウォーレン。そうか私はやられたのだったな」
すぐさま復帰すると歩き出すジェニックス。
「父と兄はまだ戦っているのか。
わざわざ出向いて行って猿一匹しか食えんとは割に合わなかったな」
そんなバクスタービルディングを遠くから臨む蜘蛛の戦士が三人。
ベン・ライリー、ケイン、ジェシカのクローンチームだった。
「あれがジェニックスの拠点だね。準備はいいかい」
「ああ、そっちこそな。クローンチームの出番だ」
「この戦い、負けるわけにはいかんぜ」
「セーフゾーンだと!そんなもの貴様たちにあり得んことを教えてくれるわ」
ソーラスはまったくひるむことなくコズミックに飛びかかる。
その一撃は大地を割り一瞬で周囲を惨状に変える。
「ピーター!こちらUK!どこにいる!!」
「こちらピーター、どうしたっていうのさ…」
「何でもいい!早く戻れ!全員の手が必要だ!!」
スパイダーUKが必死に訴える。
すさまじい噴煙の中、二人の超パワーが激突する。
「私はこのユニバースで最も強力な存在なのだぞ!」
「ユニバースだと!ならば儂はソーラス、全ての王であり…神である存在だ!」
「そうまで言うなら喰らうがいい、このエニグマフォースを!」
コズミックスパイダーマンが構えをとる。
「エニグマフォースだと?愚かな奴め。
所詮生ある者の力、ライフフォースよ。
生の力は我らの贄、我らの餓えは底なしよ!」
そういうとエニグマフォースごとコズミックの精気を吸い取るソーラス。
「無限の力が……無限のそん、ざいが」
そこには吸い尽くされミイラとなった死体だけが転がるのだった。
「あ……ああ……」
言葉も出ず、立ち尽くすだけのスパイダーマン達。
「どうなってるの…私たちこれからどうすれば……」
「わ、私にだってどうしようも……」
そこにモーランが近づいてくる。
そしてスパイダーガール(メイデイ)の腕から彼女の弟、ベンジーを取り上げる。
「”子孫”は我がインヘリターの手に!!」
遂にカギとなるトーテムが敵の手に渡ってしまうのであった。
これまで最強を謳い続けていたコズミックスパイダーマンがソーラスにやられてしまう衝撃の展開。そして敵の狙いであった”花嫁””異端””子孫”のうち一つが渡ってしまいます。
本筋の話は置いておいて、何といってもこの号での見どころはアルティメットユニバースのスパイダーマンであるマイルス君とアニメ「アルティメットスパイダーマン」のピーターというアルティメットコンビ。二人とも10代の若者ながら渡った世界は60年代アニメのスパイダーマン世界。さっそくピーターがアニメのノリでデフォルメ化しているのに対し、マイルス君が真面目に驚いてるのが面白いですね。
Amazing Spider-Man (2014-) #11
- 作者: Dan Slott
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2014/12/10
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スパイダーバース単行本情報。全体のあらすじも紹介してます。