アメイジングスパイダーマン #10 (スパイダーバース 第2話)
スパイダーバース第2話の紹介です。並行世界からの招集を受けたピーター。一方、アルティメットユニバースのスパイダーマン、マイルスはインヘリターの急襲を喰らうが……。
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「ジェシカ!いったいなんなんだよ、こいつら!?」
ヴァーナのけしかけるハウンドに抗いながらもマイルスは混乱します。
その時次元の裂け目が現れ、援軍が現れる。
アサシン・スパイダーマン、スパイダーパンク、そしてスペリアー・スパイダーマン。
ハウンドを退ける彼らに、混乱の目を向けるマイルス達
「さっさと立て!スパイダーアップ オア ダイ!」
説明は後だとばかりにパンクが言い放つ。
コスチュームに着替えたマイルス達を連れてスペリアーは即座に次元移動する。
「おのれ!よくもこのヴァーナのペット達を!」
ポータルに逃げ込むマイルスの耳にヴァーナの怨嗟の声は届いていなかった。
ただ無残に壊された母の墓石だけが彼の心に留まったままだった。
Earth-13、セーフゾーン。
いきなりキーパーソンに指名されたピーターは混乱していた。
「僕が特別だって?そんなこと無いだろ。
あそこの僕だって、こっちの僕だって、みんな立派なスパイダーマンだ」
だがそれにスパイダーUKが答える。
「いやピーター、君はかつて2度もモーランを退けた特別なスパイダーマンなんだ。
それを自覚してくれ。
さて、それじゃあピーター、セカンドチームの所に案内したいから
連れていくメンバーを決めてくれ」
ピーターはスパイダーグウェンやシルクをセーフゾーンに置いていこうとしますが、
それが面白くないシルクは勝手についていってしまいます。
「シルク!待て…」
コズミックスパイダーマンの声も届かず、ポータルは閉じるのであった。
セカンドチームが居るのはEarth-928、2099の世界だった。
彼らを取り仕切っているのはスペリアースパイダーマン。
その顔を見たピーターやスパイダーウーマンは驚きます。
「あいつ、死んだんじゃなかったの?クローン?」
「いや、たぶん過去の時間軸からやってきた本物だよ。
僕が乗っ取られている間にしばらく記憶の無くなってる期間があったんだけど、
こういうことだったのか」
ピーターは警戒します。
「みんな、いまはまずセーフゾーンに移動しよう」
スパイダーUKの提案にスペリアーが反発します。
「移動だと、バカなことを言うな。
お前らが何もしない間、我々は水面下で戦う準備を進めていた。
訓練だって積んだ」
インヘリターと戦う道を選んだスペリアーは、独自に仲間を揃えていたのだった。
「奴らの事も研究した。この機械がわかるか?
インヘリターが我々を補足する"匂い"を計測する機械だ。
カイン、ちょっと来てみろ。こいつは”異端"とも言える程反応が強い」
スカーレットスパイダーに機械を向けて使う。
すると隣に居たシルクに対しても機械が強く反応している事に気づく。
「それは彼らが"異端"、"花嫁"といわれる特別なトーテムだからだ」
オールドマンスパイダーが補足するが、トーテムなど迷信だとスペリアーは一蹴する。
その時グレートウェブが開きデイモスがセカンドチームを急襲してきた。
だがスペリアーは尊大な態度を崩さない。
「訓練通りやるぞ!第一波、ロングレンジ部隊、アタック!!」
サイボーグ、アサシン、ノワールら遠距離武器を持つものが攻撃を開始する。
「第二波、近接攻撃部隊、アタック!!」
モンキーや6アームらが飛びかかる。
しかし強力なデイモスは近接部隊をまとめて外へ叩き出すとサイボーグに手を伸ばす。
「もう玩具は十分だ!もっと新鮮なトーテムを味わいたいものだな」
精気を吸い取られ、息絶えるサイボーグスパイダーマン。
しかしスパイダーアーミーも士気は高い。
特にチームメイトを蹂躙されたスカーレットスパイダーと、
家族を踏みにじられたスパイダーガールがデイモスに飛びかかる。
そしてその隙をついてスペリアーのクローがデイモスの身体を串刺しにする。
さすがのインヘリター、デイモスも息絶えるのであった。
なんとか事態は収拾したが、
スペリアーはシルクがデイモスをこの世界に引き寄せたと非難。
彼女をチームから追放するよう言います。
しかしそれに反論したのはオールドマンスパイダーだった。
「待つんだ。そう性急に話を進めるんじゃない。
今回の事件のある要素を今から説明する……」
その時、オールドマンの背後の空間が開く。
そこから伸びてきた腕は、なんと先ほど倒したはずのデイモスのものだった。
オールドマンの首を折るデイモス。
さらにボーラとブリックスの弟妹まで現れるのであった。
混乱に陥るスパイダーアーミー達は逃げるしか選択肢は無かった。
しかし、そんな中インヘリター達がクローンの身体を利用していると睨んだ
ベン・ライリーとカインは敵の拠点があるEarth-802へのポータルを開く。
そこにEarth-1610ピーターのクローンである、ジェシカも飛びこむ。
ここにクローンチーム「スカーレット スパイダーズ」が誕生したのである。
また、敵の狙いは自分であることを悟ったシルクは独自に行動する。
「ハーイ、鬼さんこちら♪」
デイモスを挑発し、ピーターからくすねたブレスレットでポータルを開くシルク。
「タートルネック!その女について行け!目を離すなよ」
スペリアーの指示にノワールがポータルに飛びこむ。
「あなた"タートルネック"って名前なの?」
「そんなわけないだろう」
すぐそばに居たスパイダーウーマンも一緒にポータルに飛びこむのであった。
「おい、デイモス。"花嫁"が逃げるぞ。いいのか!?」
シルクの行動にブリックスも慌てます。
流石のインヘリターもそちらに気を取られている隙に、
スパイダーマン2099らが死体の方のデイモスを持って逃げ去る。
この世界がホームであるミゲル(スパイディ2099)は、自分の拠点である
アルケマックスでデイモスの身体の秘密を探ろうというのだ。
科学知識を持つ6アームとスチームパンク・レディスパイダーも同行するのだった。
そんな混沌とした状況の中、瀕死のオールドマンスパイダーがピーターを呼ぶ。
ピーターが駆け寄るとマスクを取った彼の正体がエゼキエル・シムズである事に驚く。
「エゼキエル……何故?」
「私はお前の知ってるエゼキエルでは無い……。
私の世界では君はモーランにやられてしまったのだ……。
頼む、"花嫁"(The Bride)と"異端"(The Other)、そして"子孫"(The Scion)を
守ってくれ……」
そう言って息絶えるエゼキエルであった。
そして、ピーターを始め、他のスパイダーマン達もなんとかセーフゾーンに帰り着く。
「オールドマンはどうしたの?」
セーフゾーンで待機していたグウェンがUKに聞く。
「すまん、彼はやられた」
「嘘!じゃあスパイダーウーマンも…」
彼女の姿が見えず、アーニャ・コラソンは心配の声を上げる。
「いや、君の師匠は無事だよ。まずは状況を説明……」
ピーターが喋り終わる間もなく割り込む声が。
「お喋りはそこまでだ!今は戦いの真っ最中なんだぞ!
リーダーである私の指示に従え!!」
スパイダーセンスを感じて振り向くと、
そこには爪を立て敵意を剥き出しにするスペリアーが立っていた。
スパイダーバースの肝とも言えるピーターとドクオック・ピーターの邂逅回。スペリアーは独善的で非情な奴なのですが、対インヘリターの備えもしており、結果も出しているので憎み切れないのが辛い所です。
そして今回息絶えたオールドマンスパイダーことエゼキエル。彼はかつてピーターがモーランと戦った際に登場したキャラらしいのですが未読のため詳細は不明です。ただ今回も敵のねらいを伝える重要な役回りを担ってました。
また、本文では省略してしまったのですが、沢山のスパイダーマンを見たシルクが「この中に私のピーターより素敵なピーターなんているのかしら?」なんて物色するシーンもあって楽しいです。
その他にもタイイン誌へのブリッジも盛り込まれたり、一話の中に盛り沢山の内容でした。次回は遂にインヘリターの総主ソーラスの登場です。
Amazing Spider-Man (2014-) #10
- 作者: Dan Slott
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2014/11/19
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スパイダーバース単行本情報。全体のあらすじも紹介してます。