アメイジング X-MEN #19 ジャガーノート復活編
「AMAIZING X-MEN」最終号#19の紹介です。
最終的にサイトラックの力はケイン・マルコの元へ。復活を果たしたジャガーノートは果たして敵か味方なのか?
前段:アメイジング X-MEN #18 ジャガーノート復活編 - Children & Weapon Smith
或る男は自分にあだなすあらゆる者を打ち倒すための力を欲していた。
そんな彼の前には邪神が現れ、力を与えられた。
しかし、その力は失われた。
或る男は自分の周りの人間を守る力を持っていた。
そんな彼の前には道標となる人間が現れ、指導された。
しかし、その指導者は失われた。
そして今、その二者が相対していた。
ジャガーノートとコロッサス、力を化身する二人である。
「ケイン・マルコ!止めるんだ」
「ケイン、下がりなさい」
ストームの雷で一旦下がるジャガーノート。
そんな彼にコロッサスが話しかける。
「ケイン、君はサイトラックに何を言ったんだ。
君がジャガーノートになる必要など無いというのに」
「サイトラックは俺を選んだのだ。
お前の言うサイトラックを滅ぼすための力よりも、更に強大な力を必要とする俺の方にな」
「どういうことだ?」
「俺は貴様より早く、強く願ったのだ。
俺の兄弟に手をかけた男、サイクロップスを殺す力をな。」
「えらいこと言ってくれたな、ジャン・ピエール」
ナイトクローラーがノーススターに目を向けます。
「あの時はああ言わないとお前さんの首がへし折られる所だっただろ」
「その願いはサイトラックの物なのか?」
コロッサスはジャガーノートに詰め寄ります。
「これは俺の意志だ。
チャールズはこの世で唯一、俺のことを気にかけてくれていた人間だ。
それをサイクロップスは殺した。だから俺は奴を殺す、この力でな」
その言葉にストームが答えます。
「私達はチャールズ・エグゼビアの生徒よ。
彼がそんなことを許すはずがないでしょう」
「なら止めてみることだな!」
「X-MEN!彼のヘルメットを集中攻撃よ!!」
「ストーム、よせ!」
ストームの号令に全員が動き出しますが、コロッサスだけは戦いに反対の姿勢を見せます。
ノーススターとファイアスターが攪乱し、アイスマンが氷で動きを鈍らせる。
そこにテレポートしてきたピクシーがダガーの一撃をヘルメットの継ぎ目に与える。
「これで良いんでしょう?」
ピクシーの言葉にジャガーノートが余裕で応えます。
「そんなにヘルメットを外したければ、外してやろう」
その下から覗いた顔は、素顔にまでアーマーが食い込んだ痛々しい姿だった。
「レイチェル…」
「駄目。彼の思考は読み取れないわ、カート」
新たなるジャガーノートは外見だけが変わったわけではありませんでした。
「いつまでも弱点をそのままにしておくと思ったか?
俺を止めて見せるんだろう?やって見せろよ」
「俺は静止不能のジャガーノートだ!!!」
一面クレーターとなった大地から唯一立ち上がってきたのはコロッサスだけだった。
「マルコ…、止めるんだ。そうでなければ僕が止めて見せる」
「俺の力を盗んだ貴様がどの口を叩くか。
今まで何度俺を殴りつけた。打ち負かせたことなど無かっただろう」
「やってみせるさ」
コロッサスが単身ジャガーノートに挑みます。
”僕の名前はピエトロ・ニコライビッチ・ラスプーチン。
地上でも有数の膂力を持つ人間だ。
そんな僕でもこのジャガーノートに打ち勝ったことは無い。
だが、今日は、今日こそは変えてみせる!
コロッサスの連撃にもびくともしないジャガーノート。
反撃の一発にコロッサスは遥か彼方まで吹き飛ばされます。
”僕の本能は戦いを求めている。
だが、それじゃあジャガーノートには勝てない。
ローガンならどうするだろう?
はは、彼はこういう時意外とずるい手を使うよな
「どうした戦うんじゃなかったのか!」
コロッサスはジャガーノートの突進をかわしまくります。
「僕は君を打ちのめさない!」
そう言うとコロッサスは大地に両腕を振り下ろします。
「君を止めて見せる!!」
いつの間にか崖っぷちに誘導されていたジャガーノートは大地ごと海に落ちていく。
「コロッサアアアァァァス!!!!」
そしてコロッサスもまた崖下に落ちていく。
”やった、やったんだ。
僕は奴を止めた。友人たちを傷つける重戦車を止めてやった。
もうこれで満足だ…。
満足だって!?
はたと気づいたコロッサスは崖に手を伸ばしなんとかしがみつく。
地上までの上るとそこには仲間たちが待っていた。
「いつからそこに居たんだい?」
「もうずっと待っていたよ、ピエトロ坊や」
ストームがそう答える。合流したX-MENは晴れやかな顔をしていた。
「やったよ。ジャガーノートはきっと這い上がってくるとは思うけど
今のところは奴を止めてやったさ」
「そうね。
さてと、サイクロップスに今回の件を警告してあげようか、どうしようかしらね」
「どうしようか、なんだ」
「さあ、X-MEN、家に帰りましょう」
これにてジャガーノート復活編、さらにはアメイジングX-MENの最終回となりました。
本編の感想を一言でいうと、個人的にではありますがすごく「X-MENらしい」ストーリーだったと思います。複数の敵が入り乱れる展開、チーム内でのちょっとしたすれ違い、巨大な敵との戦闘、信念で掴み取る勝利、ものすごく秀でた話ではありませんが、とても好きな作品になりました。
さて、これにて本作も終了。最新シリーズの紹介でしたので、この後X-MENもシークレットウォーズに組み込まれる運びとなります。一年間という短い期間の中でライター変更もあり、バタバタとしていたアメイジング誌ですが、佳作もあり個人的には好きなシリーズでした。
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