All-New! All-Different! ジャイアントサイズX-MEN刊行から40周年!!
マーベル公式サイトにて、X-MENの最初の分水嶺とも言えるジャイアントサイズX-MENの特集が組まれていました。第二期スタートの本誌は1975年1月に発行され、今年でちょうど40年となります。今回はこちらを紹介していきたいと思います。
Happy 40th Birthday, All-New, All-Different X-Men | Marvel.com
さて、以前本サイトでもこちらの号の事は取り上げたときに言及していましたが、新X-MENと言える7人のうち、この号で初出なのはナイトクローラー、ストーム、コロッサス、サンダーバードの4名でした。
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ウルヴァリンはこのちょっと前のハルク誌でデビュー、サンファイアとバンシーはX-MENにて悪役として登場済みでした。今回の特集では主に初出のメンバーに触れられています。
世代交代
5年の沈黙を破って再開したX-MEN。旧メンバーを突き破って出てくるこの名表紙は、今となってはゾンビーズや邦訳されたデッドリージェネシス(2008年)にもオマージュされている程です。ちなみこの構図で思い出すのはDCコミック「バットマン」でのロビン初登場の回の表紙ですね。こちらは1940年というのですから流石の歴史です。
バケモノ扱い
最初の紹介はナイトクローラー。その漆黒の身体からドイツの田舎町で悪魔の子として追いやられているというシーンから始まります。ここのところは「ミュータント差別」というテーマに沿わせていたのか気になるところです。
嵐の女王
そしてアフリカで嵐を呼ぶ女神として奉られていたストーム。上半身諸肌なのが時代を感じさせます。そして鉄壁の長髪ガードは日米を問わず定番なのでありました。
変身!ラスプーチン
次はロシア。ロシアと言えばソフホーズ/コルホーズ、そう広大な農地。定番ともいえる巨大トラクターを用いて登場したコロッサスですが、その初出のシーンから妹イリアナの存在が示唆されていたのが面白いですね。おそらく最初は「助けられる人」というだけの立場だった彼女が、年代を経てリンボ界を代表する存在になったり、相当の魔術師になったりするのだから40年という期間は長いものです。
集いし若者達
そして次はサンダーバード……は飛ばされて全員集合のシーンへ。彼もプロフェッサーXの誘いに「白人の頼みは聞かない」と一度は去るも、教授の「真の勇者は相手によらず助けを行うもの」と説得される良いシーンがあるのですが。
救出作戦
ともあれ集合した新メンバーはサイクロップス以外の旧メンバーが捕らわれている謎の島へ救出作戦を行いに行きます。光文社のポップコーンに本号が掲載された際のサンファイアの名訳「ふふふ、これが東洋の神秘よ」はこの救出にむかうブラックバードの中で発せられたもの。
動く島の恐怖
そしてメンバーを救出し、新旧全員揃って”動く島”クラコアと対決します。ちゃんとハボック&ポラリスも居るのが嬉しいところです。そしてこのクラコアが30数年後にはジーングレイ学園の庭に移り住んでダイヤの果実がなる木を生やすことになるとは誰も想像していなかったと思います。
この歴史的一冊を語る上で避けて通れないのは、本誌が発行される前の5年間X-MENは休載というか新作が発表されない状態であったという事。当時の事実は不明ですが、状態だけ見ると1963年から始まったX-MENは1970年に一度打ち切りになっているとも言える状態だったのです。
ただし、その間もサイクロップスやアイスマン、エンジェル達各キャラクターは他誌にゲスト出演したり、ミュータントという概念だけはマーベルコミックの世界に残っていました。その状態から再起を果たし、40年間連載を続けることができているというのは中々驚くべき、まさしくUncannyなことかもしれません。