X-MEN生徒キャラの歴史を探る
先日マーベルアンリミテッドでX-MEN#15を流し見していたらヘリオンがスプライトとプライマルを率いて行動しており、「おお、ヘリオンも生徒キャラの中では古株になってきたのだな」と感じました。
X-MENが他のコミックと違う特徴の一つに「生徒キャラ」の存在があります。プロフェッサーXが若き5人のミュータントを指導しながら成長させていくことで始まったこの物語において、形は変われど若い力を導いていくというテーマは不変ではないでしょうか。
そこで今回は現在のXタイトルに登場している、ここ10年来の『生徒キャラ』を登場時期ごとに分類して紹介してみたいと思います。
NEW X-MEN(2002年頃)
グラント・モリソンがX-MENを手がけた時期に登場した生徒達。
無印X-MENからNEW X-MENに改題したこの時期は、サイクロップスが学長に就任したり、他のメンバーが教師になったりと学園スタイルへの立ち戻りが行われた時期でもある。これにより多くの生徒キャラが登場することとなる。
<代表的な生徒>
キッド・オメガ
強力なサイキッカー。現在の生徒キャラの中では最も出番のある一人。生徒キャラでありながらアライアンスは"悪"に入ってもおかしくないキャラクターが魅力。コードネームより本名のクエンティン・クワイアで呼ばれることの方が多い。
ステップフォード・カッコウズ
五つ子の優秀なサイキッカー。登場当初は5体1心で一つの台詞を5人で喋る描写がされていたが、ストーリーの中で2人が死亡。さら最近では各人の個性化が強くなってきている。最近ではセレスティが金髪、フォービィが赤髪、イルマが黒髪にしている。
グロブ・ハーマン
半透明の身体に内臓や脳が透けて見える巨漢。一度見たら忘れられないビジュアルで、この説明だけで姿が思い浮かぶ人も多いのでは。能力はスーパーパワーに加えて生体パラフィンの身体を燃やして攻撃できる(とあるが能力を行使してる姿を見たことが無い)
その他にもエルンスト&ノーガールなど。モリソンの奇想とクワイトリーのイラストにより、ややグロテスクなキャラが多い。
NEW MUTANTS(2002年頃)
上記モリソン期に並行して展開していた学園中心の物語から登場したキャラ。「NEW MUTANTS」はキャノンボール達がいるあのチームとは同名別チーム。後のNEW X-MENへと繋がっていくキャラが多い。(このNEW X-MENとは上記のNEW X-MENとは別の誌名。ややこしいですね。)
<代表的な生徒>
ヘリオン
能力はテレキネシス。"悪童"のコードネームどおり悪ガキな性格でチームを引っ張っていたがここのところさらなる”悪”のクエンティンが居るため今ひとつ目立たない。
ロックスライド
岩石でできた巨漢。その実、本体となる精神体がテレキネシスで岩石を集めて形を作っているのでどれだけ破壊されても復活できるという半不死身の能力を持つ。
アノール
トカゲ少年。手足を吸着させて壁を登ったり、身体を保護色にして姿を隠すことができる。上記二人と仲が良く、たいていつるんで行動しているため同じ誌面で見られることが多い。
その他エリクサーやマーキュリー、ブリン!などが居る。
FIVE LIGHTS(2010年頃)
M-DAYの後、初めて誕生した5人のミュータント。
邦訳されたセカンド・カミングの直後から登場している。当初は救世主ホープ・サマーズを守護する五つの守護星といった扱いだったが、その設定は長くは生かされず今では一介の生徒キャラとして過ごしている。
<代表的な生徒>
オヤ
炎と氷を操るサーモキネシスの使い手。ライツの中では最もキャラが立っておりX-MEN分裂となったスキズム事件の中心にいたり、最近ではクエンティンの彼女に納まっていたり。
トランソニック
高速移動と飛行能力を持つ他に、青白いクリスタルの皮膚を持つ。緊急の際には身体全体を変形させて高速飛行に適応させることもできる。
プライマル
超身体能力を持つが知能は低いという原人キャラクター。口数は少なめ。その動物的精神はテレパシーなどの精神攻撃に耐性を持つ。
その他にベロシダッドとゼロが居てファイブライツとなる。ちなみに彼らはX-MENのファーストファイブを意識されており、オヤ→アイスマン、トランソニック→エンジェル、プライマル→ビースト、ゼロ→ジーングレイという風に関連付けられている。
WOLVERINE & THE X-MEN(2011年頃)
X-MENが二分されたスキズム展開の後、ウルヴァリンが開校したジーングレイ学園の生徒達。グルーやキッド・グラディエーターといった非ミュータントの生徒が有名だが、ここではミュータントをピックアップして紹介する。
<代表的な生徒>
アイ・ボーイ
全身に目がある百目小僧。魔法の素養もある模様。銃を構えて狙い撃ちする絵面が様になっている。
シャークガール
鮫の女の子。なぜ女の子にした。他の獣人キャラにモテるという特徴があるらしく、最新のスパイダーマン& THE X-MENではソウロンにも言い寄られていたようだ。
ネイチャーガール
頭から鹿の角が生えている女の子。ジーングレイ学園は制服制度なので、ブレザーに鹿の角がよく映えます。
他にはスプライトなど。意外とジーングレイ学園発祥のミュータント生徒は少ないのでしょうか。
NEW CHARLES XAVIER SCHOOL(2012年頃)
アウトローと化したサイクロップスが指導する生徒達。
カナダの元ウェポンX研究所を拠点とし、エマやマジックの元日々研鑽を重ねる。優れた能力を持つ者が多い反面、ストーリー的に教師達のいざこざに巻き込まれて辛い目にあってるという印象。この辺りは明るい雰囲気のジーングレイ学園の生徒と対照になってるから良いのでしょうか。
<代表的な生徒>
エヴァベル
局所的な時間停止能力を持つ。新エグゼビア学園の生徒の中では主役級の扱いであり、サイクロップス先生には愛慕の情を見せたり、呆れて怒鳴りつけたりと感情豊かなところを見せている。
トリアージ
強力な回復能力を持つ。死亡してしまった人間も蘇らせたり、自分が死に瀕しても蘇ってきたりしている。カッコウズのイルマと仲が良いようだが、どこまで進展しているのかは描写されていない。
ハイジャック
あらゆる「乗り物」を操ることができる。車から飛行機、果てはヘリキャリアまで乗っ取って操ったこともある。
その他モーフやゴールドボールなど。
その他の生徒キャラ
上の分類に入らないものの、現在も活躍している生徒達を紹介します。
X-23
生徒キャラと言って良いのかわからない程のキャラ立ちを持つ彼女。初出はTVアニメ「X-MEN: EVOLUTION」。コミックに登場してからもいきなり個人誌を持ったり、X-MENにはあまり見られないストリート系キャラクターの側面を持っていたりと例外だらけ。
最近では過去から来たファーストファイブと合わせて生徒キャラをしつつも、ウルヴァリンズの方では独り立ちキャラとしても活躍している。
アーマー
能力で作り出したアーマーを纏って戦う。日本人で本名はイチキ・ヒサコ。邦訳も出版された「アストニッシング X-MEN」にて登場し、ウルヴァリンの相棒的立場で活躍する。また、日本産アニメX-MENでもヒロインとして登場。最近は一介の生徒としての登場が多いが、やはりその知名度からか目を引くことが多い。
ジェネシス
初出はアンキャニーX-FORCE(2011年)。アポカリプスのクローンボディとして培養された子供をX-FORCEのファントメックスが保護して育てた。後にジーングレイ学園に入学し生徒の一人となる。キャラクターとしては真面目で良い子、将来アポカリプスになってしまうのではないかという不安を抱える面もある。
2014年のクロスオーバーでアポカリプスとして目覚めてしまったもののイベント終了後には元の姿に戻る。その後デッドプールに保護されたという話らしいが、学園に戻る事は無いのか、友人であるクエンティンの反応など気になるところです。
最近ではアベンジャーズ誌上でニューミュータンツ出身のサンスポットがリーダー力を発揮しているように、今回紹介したキャラクター達の中からも誌面の主役を飾るような新しい力となる者が出てくるのでしょうか。今から楽しみです。
<参考TPB情報>
クエンティン・クワイアの初出を知るならばこちら。グラント・モリソンが手がけたX-MEN。独特な世界観と絵柄には注意。
New X-Men by Grant Morrison Book 4
- 作者: Grant Morrison,John Paul Leon,Phil Jimenez,Igor Kordey,Ethan Van Sciver
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クエンティンのフェニックス化とジェネシスのアポカリプス化を取り上げたストーリー収録のWatX-MEN。第二期の一冊目なので読み始め易い。
Wolverine & the X-Men Volume 1: Tomorrow Never Learns
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サイクロップス率いる新恵まれし子らの学園はこちら。日本でも人気のアーティスト、クリス・バチャロの絵も魅力。
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