Uncanny Avengers #24
夜のスーパーマーケット。
ハボックを見る店員や他の客の目は、困惑と恐れを含んでいる。
先の戦いで消えぬ傷を負ったハボックの顔左半分は、
今だ焼けただれていたままだった。
ヒーローとして戦った結果の物である、それもハボックはわかっているが
周囲の反応を見るとなんとも言えない気分になるのであった。
「そこのハンサムさん」
ふいに声がかけられる。
「…なんの悪戯だ?姿を見せろ」
路地に目を向けるも誰もいない。
「ふふふ、その半分のお顔。そんなこと問題にならないくらいの事がこれから起こるわ」
暗闇から伸びてくる液体の触手はハボックを絡めとるとそのまま彼を何処かへと連れ去っていくのであった。
マンションではウルヴァリンとローグ、スカーレット・ウィッチが話していた。
「なんにせよ、こうやって二人が並んでいられるんだから良かったじゃねえか。
あの時は取っ組み合いのケンカでもしかねなかったもんだがな」
ローグとワンダはまだ固い雰囲気ながらもローガンの言う事に頷きます。
「なんにせよ、あの戦いで俺たちは学んだはずだ。何より大切なのは融和だってことをな。
かつての俺の行動が双子を生み、また俺のせいでチームも分断させちまった。
俺は教授の理想をなんもわかっちゃいない、とんだマヌケだったってわけさ」
ウルヴァリンはこれまでの失敗を顧み、融和の必要性をこの二人に体現して欲しいと託すのだった。
そしてウルヴァリンは席を立つ。
共に屋上に上がったローグは彼に別れの言葉を述べます。
「どこに行くのか知らないけど、ヒーリングファクターが無いことを忘れないでよ。
あんた、これまでがこれまでだから防衛本能が足りなさそうだからね」
「言うんじゃねえよ、アンナ・マリー。
そっちこそ、自分の心配をするんだな。
…ローグ、そんな悲しい目をするなよ。
大丈夫だよ、これまで長い時間かけて能力をコントロールできるようなったんだ。
辛いかもしれないがきっと取り戻せるはずだ」
「わかったよ、やってみる」
短い抱擁を済ませると、ウルヴァリンは独りジェットに乗り込み去って行ってしまった。
見送りを終えるとローグは階下に戻りプロフェッサーXの肖像画に語り掛けます。
「ハイ、プロフェッサー。
あたしももう少し頑張ってみるよ。心配しないでそこで見ててね」
しかし部屋の様子がおかしいことに気付きます。
「ワンダ?」
「ごめんなさい、彼女は忙しいようなの」
気が付くとローグは夢の中にいた。
目の前にはプロフェッサーXが。ただしその頭は切り開かれ、脳が取り出された状態です。
夢とはいえおののくローグに教授が優しく語り掛けます。
「君はジェノーシャの収容所に連れてこられたのだ。ここから逃げなくてはいけない…」
さらにワンダーマンも現れて話しかけてきます。
「君の中に俺の力が宿ってることを奴らは知らない。それで逃げられるだろう」
プロフェッサーXは彼女の背中を強く押します。
「ローグ、君は強く勇敢な女性だ…君は自慢の生徒だ…」
目を覚ますとそこはレッドスカルが作り上げたジェノーシャのミュータント収容所でした。
隣にはスカーレット・ウィッチとハボックも捕えられていました。
ローグは夢で見たようにワンダーマンのパワーを使って拘束を引きちぎると、二人も解放します。
さらに別の棟に捕えられていたマグニートーも解放します。
「ワンダ、我が娘よ…」
「こんな時にやめて…」
スカーレット・ウィッチが顔をしかめます。
「助けに来てくれたのか?」
「あたし達も捕まってたんだよ」
ローグが拘束を引きちぎります。
「悪いな、あんたは”ついで”だよ」
ハボックがフォローにならない言葉をかけます。
マグニートーは拷問でボロボロになった身体を引きずって立ち上がります。
「奴を…。戦わねば…」
そうは言うもののマグニートーは二人の肩を借りて外に出ます。
しかし、そこにはレッドスカルと彼のS-MEN待ち構えていたのでした。
「よろしい。ならばやってみるがいい」
表紙に「MARCH TO AXIS」とあるアクシス導入編。あっという間に攫われたハボック、スカーレット・ウィッチ、ローグ、マグニートーがあっさり脱出、場面をジェノーシャに移すためのお話といったところ。
助けられたシーンではマグニートーは三人からいいよう言われてますが、マグニートー誌の方では同じ場面でミュータントパワーを強化するドラッグを注入して決起する様子が描かれ、だいぶ雰囲気が違っています。
個人的に好きなのはローグがプロフェッサーXの肖像画に語り掛けるシーン。第五話でジョーク的なシーンで使ったガジェットを旨く再利用してる。ちょっとした一コマだけど、このおかげで次の夢のシーンが単なるグロ画像じゃなくなってます。
【 登場キャラクター】
ハボック、ローグ、
スカーレット・ウィッチ
マグニートー、レッドスカル
S-MEN
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