Uncanny Avengers #22
地上ではヒーロー達とカーン配下のクロノス・コァの戦いが続いていた。
「アルノ!自分が何をしているのかわかってるのか!?」
「トニー、キャップから何も聞いていないのか?
我々の未来自体がなくなるんだぞ!カーンに従う他無いじゃないか!?」
成層圏、セレスティアルズの身体の上でカーンはそのエネルギーを吸収し続けた。
エネルギーの奔流の中から何とか這い上がってきたソーだったが、パワーアップしたカーンに一蹴される。
次いで飛んできたのはサンファイアとハボックだった。
二人はセレスティアルズのエネルギーを何とか傷口から戻そうとする。
しかし、それを阻止せんとするカーンによってサンファイアがやられてしまう。
セレスティアルズのエネルギーを全身に受けたサンファイアは爆発消滅してしまい、
その爆風でハボックも半身に大火傷のダメージを負ってしまう。
地上ではヒーロー達がクロノス・コァに押され始めていた。
トニーにとどめを刺そうとするアルノをキャップのシールドが何とか制止するも、
今度はブラドック長官のサイブレイドがキャップを襲う。
未来の力には敵わない…そう思った矢先、彼らを救ったのはさらに未来からやってきたイモータスの軍団インフィニティ・ウォッチの面々だった。
「出番だぞ!インフィニティ・ウォッチ!
カーンの傀儡共を倒し、奴を見つけ出すのだ」
イモータスの号令一閃、マー・ベルのブラストがブラドックを射貫き、キャップを窮地から救う。
「マー・ベルか…?」
「大丈夫かスティーブ?我々はなんとしてもカーンを止めなくてはならない。
奴はどこにいる」
「すまない…。奴はどこで、何をしているのか…」
その頃カーンを前にして、娘ケイティの安否を気遣うハボックは動けないでいた。
「私の差配ひとつで貴様の結婚も、娘も、無かったことになるのだぞ。
貴様は我が前に跪くしかないと知れ」
だからと言って目の前の悪を放っておくハボックではなかった。
(確かにケイティの居た世界は消え去って行った。
娘に会うためには連れ去ったカーンに従うしかない…。
しかしそれが信じられるか?都合よく考えすぎじゃないか?
奴の作ったルールに乗っていていいものか。娘は自分自身で取り戻すのではないか)
ハボックの全力のブラストはカーンを吹き飛ばしダメージを与えます。
「愚かな男め…。
これは娘を殺したも同然の行いだ!ヒーローたる者のすることか!」
カーンがハボックに掴みかかります。
(カーンの虚言に惑わされるな。奴の言葉を信じるな。
今は目の前の悪を倒すことだけを考えろ!)
組み付かれコズミックエナジーに焼かれながらも、ハボックはさらに全力のブラストを至近距離から撃ち込みます。
しかし力を得たカーンは揺らぎません。
「貴様の決意などこの程度だ、アレックスよ。
所詮”善”とか”悪”とかその程度の目線でしか考えられない者の考えよ。
貴様の娘、あれとて私の計画の中で生まれ、我が策に落ちて消え去った。
全ては我の掌の上よ。我こそが神なのだ!!」
ハボックを圧倒します。
「貴様のような神があってたまるか」
突如、背後から猛烈なエネルギーのブラストが飛来し、カーンの背中を焼きます。
現れた人の形をしたエネルギーの塊、それはコズミックエナジーと一体化したサンファイアでした。彼はカーンに送り込まれたエネルギーによって爆散したかに見えましたが、その力と一体化して生まれ変わっていたのでした。
カーンを吹き飛ばしたサンファイアは一転、アポカリプス・ツインズの宇宙船に狙いを定めます。
「ウリエル、私には見えてしまったわ。私たちの勝利は消えてしまったようね」
「エイミン、やはり我々はカーンの手の中で踊っていただけだったのか」
双子が敗北の感情をかみしめる間もなく、サンファイアの超エネルギーが宇宙船アークを貫き、破壊します。
直前に脱出した小型艇から地上に連絡が入ります。
「キャップ、こちらローガンだ。アポカリプスの宇宙船はもうお終いだ。地球に落ちていく」
そしてこちらもまた決着を見せていた。
娘ケイティへの愛着を振り切りながらカーンに拳を振るうハボック。
宇宙線を吸収し、ブラストと同じ威力を持って振るわれるその拳は着実にカーンを弱らせていった。
「や、止めろ…。娘に遭えなくなっても良いのか…」
「さっきから貴様の言ってることは嘘だらけだ!
俺は自分から娘を取り戻しに行く!貴様に頼むことなど何もない!!」
「く、このカーン様に手を上げた罪…高くつくぞ」
捨て台詞を吐いてカーンは逃げ去って行った。
それに合わせカーンが集めてきたヒーロー・ヴィランも消え去っていくのであった。
また、地球を守っていたセントリーもセレスティアルズの死体を持って宇宙の果て、ホワイトホットルームに飛び去って行った、去り際に「セレスティアルズの怒りを忘れるなよ」との助言をワスプに残して。
地上では何とか事態を収めることができたヒーロー達が集結していた。
そこへ落ちてきたのは全力を使い果たしたローグだった。
スカーレット・ウィッチの魔力によって、取り込んでいたヒーロー達のパワーを放出し返還したローグだったが何やら様子がおかしかった。
「う、うう、誰、誰なの?」
「大丈夫よ、アンナ・マリー。私よ、ワンダよ。全て解決したのよ」
「違う、頭の中、声が消えない!サイモンの声が頭の中に響いてるの!!」
そう、ローグが全エネルギーを吸収したワンダーマンだけは彼女の中から分離されなくなってしまったのであった。
そして問題はもう一つあった。地上で再開を果たしたハボックとワスプ。
ワスプは彼に娘ケイティの安否を聞くが、それについての回答を彼は持ち合わせていなかった。
泣き崩れるワスプ。
確かに地球は返ってきた。しかし失われ物も少なからず存在したのであった。
<エピローグ>
サハラ砂漠に落ちた宇宙船アーク。
その中からア這い出して来る影が二つ。ダケンとグリム・リーパーです。
「クソ、生き残ったはいいが何もかも無くなっちまったじゃないか、ダケン」
「下向きな事言ってるんじゃねえよ、つまらねえ。見ろよ、日はまた昇るってな」
二人は生死もわからぬアポカリプス・ツインズを担いで砂漠を歩き始めるのであった。
これにてついに決着を得たアベンジャーズ ユニティ・スカッドと征服者カーンの戦い。超パワーを得たカーンに対し、同じく超パワーを得たサンファイアとハボックの力で殴り勝ちました。
ハボックは「宇宙線を吸収して破壊光線に変える」という能力の持ち主なので、彼もセレスティアルズのエネルギーに影響を受けてパワーアップしてたという扱いで良いのでしょうか。まあ、 そういう細かいパワー計算でなく、娘ケイティの心配を振り切って悪を討ったハボックの気概の勝利ということにしておきましょう。
【 登場キャラクター】
ハボック、ワスプ
キャプテン・アメリカ、アイアンマン
征服者カーン
アポカリプス・ツインズ
ダケン、グリム・リーパー
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