Uncanny Avengers #20
激しく交戦するX-MEN/X-FORCEとハボック・カーン連合。
ブラドック長官はサイロックとサイブレイドの応酬を交わし、ストライフは因縁のケーブルをテレキネシスで吹き飛ばします。
マグニートーはハボックからカーンの計画を聞き出そうとハボックを締め上げます。
「さあ、カーンの計画とは何だ?吐け!」
「最初の手順は…三回まわってワンと鳴いてな…ぐわあぁ!」
マグニートーが渾身の力で締め上げると血を吐き出すハボック。
「もう止めるんだ!」
それを救ったのは兄サイクロップスのオプティックブラストでした。
ハボックに肩を貸し助け起こすサイクロップス。
「アレックス、大丈夫か」
「…すまないな、スコット」
「いや、礼を言うのはこっちの方だ。私たちも目が覚めたかもしれん。
カーンは確かに地球を取り戻すと言ったんだな」
「そうだ…奴が嘘をつく理由は無い…。
だが、そうするとこのプラネットXは時間流にまきこまれ消滅する…。
誰も生き残れないかもしれない。」
「ケーブルや評議会のメンバーもそう言っていた。だが何故カーンが」
「カーン、奴は誰よりも地球の復活を願っているはずだ。
奴にとって征服すべき地球は何物にも代えがたいはずなんだ」
ハボックはサイクロップスの目をまっすぐ見て続けます。
「俺達なら地球を取り戻せるはずだ。
俺は自分の命をかけて地球を取り戻す…だがそれにはスコットの協力が必要なんだ」
「わかった、お前の言うとおりだ。アレックス」
「俺達は二人揃ってこそなんだ、スコッティ」
「行こう、私達でやり遂げるんだ」
サイクロップスはハボックの言葉に耳を傾け、地球の犠牲の上に成り立つこのプラネットXを正す事を決意したのであった。
一方、アーク内の玉座ではソー達がエイミンを圧倒していた。
ヨルンボルンを奪い取ったソーは、ムジョルニアとの二刀流をエイミンに食らわす。
メイ・パーカー・ベノムはすばやい動きでダケンの一撃をかわすと、ショックウェーブ付きのウェブを絡めて敵を捕縛する。
怒れるソーがエイミンを縊りあげると不意にその手を掴む者が。カーンです。
「ソーよ、そんなことをしに来たのではないだろう」
「構うな、カーンよ。私は貴様の命でここに来たのではない」
「その通りだ、雷神よ。貴様は仲間であるあの二人を助けるためにここに来たのではなかったか?」
カーンの言葉に冷静さを取り戻したソーは、エイミンを彼に差出してウルヴァリンとサンファイアを解放するのだった。
改めてエイミンを叱責するカーン。ツインズの裏切りに対するカーンの怒りは相当なものであった。そんなカーンにダケンが背後から切りかかるが、これを妨げたのは解放されたウルヴァリンだった。全身大火傷の身体のまま、こちらも怒りにまかせダケンを圧倒する。
「お前は!本当に!化け物め!
生きていても!しょうがない奴だ!
…だが、殺しはしない。二度とお前を殺すようなことはしない」
傷だらけの目でダケンを真っ直ぐ見つめます。
「あんな悪夢は二度とごめんだ」
そして目を覚ましたサンファイアもかつてチャールズ・エグゼビアの元で友情を感じていたバンシーに怒りをぶつける。
「どれだけの間、悪夢を見せられたと思う、バンシー。
俺はあんたの事を兄弟のように思っていたのに」
「ぐああ、す、すまない。ホースメンだったお前なら…わかるだろう…志郎。
私には、このデスの力は大き…すぎた。もう、十分だ…、許してくれ」
こうしてウルヴァリンら、囚われのミュータントを解放したカーン達は引き上げていくのであった。
一方、ハボックとの信頼を取り戻したサイクロップスはエイミンからの離反を決める。
「エリック!貴様の講釈はもう十分だ!」
兄弟のブラストがマグニートーを吹き飛ばします。
「なんと馬鹿なことを…」
「X-MEN!X-FORCEを取り押さえるんだ!」
対峙するサイクロップスとマグニートー。
「行け、アレックス。ここは何とかする」
「ありがとう、スコット…」
「別れの言葉はいらないぞ。我々はここで間違いを正すのだ」
サイクロップスに後を託し、合流地点に急ぐのであった。
ついに全員が揃ったアベンジャーズ・ユニティスカッドの生き残りであるハボック、ワスプ、ソー、ウルヴァリン、サンファイア。
「詳しいことはわからねえが、カーンとしちゃ征服すべき地球を取り戻そうってんだろ。
結構じゃねえか、地球は取り戻す。だがその野望は絶対阻止するがな」
説明を聞いたウルヴァリンはカーンの提案を受け入れる。
悪人たるカーンの計画など信頼できないと、サンファイアは一人激高するが、状況を冷静に見定めたウルヴァリンにたしなめられる。
「聞いてくれ、アベンジャーズの仲間よ。
我々は失敗を犯し一度は地球を失った。
その原因は我々が融和を忘れ、ヒーローらしからぬ振る舞いで戦っていたからだ。
我々は幸運にも今一度地球を救う機会を得た。
今度こそは正しい結果をもたらそう」
ソーの言葉を締めにカーンの計画が実行される。アベンジャーズ5人の意識はブラドック長官のテレパスとドゥーム2099の魔力で取り出され、アイアンマン2020のパワーを得たカーンによってプラネットX誕生前の時間軸に飛ばされる。
「これで本当に上手くいくの?」
そう聞くヴェノムに対して、崩れ行くプラネットXを眺めながらカーンはこういうしか無かった。
「全ては時間が解決してくれる」
壮大な設定変換で始まったプラネットX編ですが、三話という短い中でぐっと凝縮した物語となりました。かなりの力技ではあるのですが、記憶を保ったまま過去に戻った5人はアポカリプス・ツインズの野望を阻止できるのでしょうか。
そんな駆け足の展開の中で、熱かったのがサイクロップス&ハボックの兄弟対決と和解の展開。実際の台詞ではそこまで書いていないものの、自分の見解ですとサイクロップスは「ミュータントのみとなった理想郷よりも、人間との融和の可能性が少しでも残されている地球を選んだ」とも取ることができて、グッとくるものが有りました。
最後に、最高だったのが合流地点でのワスプとカーンのこのシーン。
ワスプ「何が"征服者"よ、コノヤロー!」
ドゥーム「誰かアレ止めなくていいの?」
ハボック「俺は知らん」
ワスプの容赦ない膝が笑えます。
【 登場キャラクター】
ハボック、ワスプ、ソー
ウルヴァリン、サンファイア
アポカリプス・ツインズ(エイミン)
ダケン、バンシー
征服者カーン
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