Uncanny Avengers #18
『ケイティ、誕生日おめでとう。
ハンク・ビーストおじさんは良くしてくれてるか?
エイミンの部隊はまだ君を探しているだろうか。
それもこれもエイミンがこの世界をでっち上げたため、
我々がそれを正そうとしているためだ。
父さん達は諦めないぞ。人間とミュータントと、共に暮らせる世界を取り戻すことを』
未来的な街並み、ごった返すミュータントの人混みの中をハボックが駆けていきます。
それを追うのはX-FORCEのブロブとパイロです。
『エイミンは歴史を改竄した。スコット達X-MENを取り込み、地球に起きた悲劇を全て父さんとアベンジャーズの責任に押し付けた』
ハボックが屋台を飛び越えると、コンロの火が生き物のように襲ってきます
『誰もエイミンのことを疑わない、奴のことを罰さない。だが君の母さんは違う、私と共に本当の地球の為に戦ってくれたんだ』
行き止まりに追い詰められたハボックは、ブラストで窓を破壊します。
『可愛い娘ケイティ。父さん母さんのせいで危ない目に遭わせてしまって済まないと思う。だが誰かが世界を正さなくてはいけないんだ』
そしてブロブをかわし、高層ビルからダイブします。
『破壊しなくてはならない、このプラネットXを』
同じく飛び降りてくるブロブ。ハボックはブラストを叩きつけますが、あらゆる衝撃を吸収するブロブは意にも介しません。ブロブの手が伸びる寸前、ハボックを縮小化で救ったのはワスプこと彼の妻であるジャネットだった。
「どけどけ~、落ちるぞ~!」
市街地に落下する寸前、ブロブの体が宙に浮きます。現れたのはX-FORCEの隊長マグニートーです。
「私の目の前でミュータント市民が傷つけられることは断じて許さん。X-FORCE、奴を追うぞ!」
そう言うとマグニートーはパイロの炎で溶けた金属を巨大な手に形作り、ハボックとワスプの行く先を阻みます。
「ジャネット!俺の縮小化を解いて下ろしてくれ!」
ハボックは元の大きさに戻ると炎の掌に全力のブラストをぶつけます。そしてその勢いでX-FORCEトードのエアカーに飛び込むと、車を奪います。
何とか目的地にたどり着くハボックとワスプ。二人はタキオン・ダムを破壊するため街の中心に鎮座している宇宙船アークを目指していたのだ。
「ブロブは私が引きつけておくから、アレックスはタキオン・ダムを!」
「わかった!気をつけろよ」
しかしそんなハボックの前にはマグニートーが立ちふさがります。
力に勝るブロブだったが縮小化したワスプに耳から侵入されたらひとたまりもありません。一撃で昏倒するブロブ。ワスプは夫ハボックを助けに飛びます。
「何故だ?何故、命をかけてまでこの理想郷を破壊しようとするのだ、アレックス?」
「この世界は数十億の犠牲の上に築かれた偽りの理想郷だ!エイミンの掌で踊らされていることに何故気づかない!」
「…私から見れば愚かなのは貴様だ。裏切り者の人間たるお前の妻、ワスプ。そんな者共と共にいてアベンジャーズだと、笑わせるな。」
マグニートーがハボックを痛めつけます。
「ソーの愚かしさがセレスティアルズを呼び、その代償が地球だったのではないか。貴様の妻も…」
マグニートーの言葉を遮るようにワスプのスティングが命中します。
「殺したのか?」
「いいえ、大丈夫。それよりもタキオン・ダムを!」
ハボックは立ち上がります。
「これを破壊すれば別の時間軸からイモータスが干渉してくるはずだ。その結果、過去が改変しこの世界が消え去るかもしれない。我々も消滅するかもしれない。
だが、やらねばならんのだ!」
ハボックはブラストでタキオン・ダムを破壊すると、その爆風に巻き込まれ吹き飛びます。
ワスプがそれを追おうとすると、金属片が組み合わさり、彼女を檻に閉じ込めます。マグニートーが気づいたのです。
「サマーズは死んだんですかい?」
「そんなことはないだろうブロブ。だが今は奴を追う必要は無い」
二人は捕らえたワスプを連れて基地に戻ります。
一方、何とか生き長らえたハボックは隠れ家に逃げ込みます。待っていたのは協力者ビースト、そしてハボックとワスプの娘ケイティでした。
「おかえり!パパ。…ママはどうしたの?」
「ママはちょっと遅れて帰って来るよ、必ずな」
作戦の正否を問うビーストにハボックはダムを破壊したことを告げます。
「ジャネットの言葉を信じればこれでイモータスの救援が来るはず…」
「ワスプの言葉は半分正しく、半分違っているぞ」
振り返るとそこにはカーンとソー達が立っていた。
「救いの手はこの征服者カーン様だ」
前回の地球全壊から一転、繁栄した美しい未来としから始まった新シリーズ。状況を説明しておきますと、アポカリプス・ツインズの企みが成就し、全てのミュータントはプラネットXに移住されています。人類はアベンジャーズであるソーがセレスティアルズを呼び寄せたことにより滅び去ったとされ、それに協力していたハボックも追われる立場になっていました。
マグニートーが率いるX-FORCEは名前こそ変わっていますが、中身はそのままブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツ。パイロとか超久しぶりに誌面に登場しましたよ。
そして最後に現れた征服者カーン。 ロゴ入り台詞で助けに来たと言われても嫌な予感しかしませんよ。メンバーは#14で集めた色々な時間軸のヒーローヴィラン達に加え、#17以降と思われるソーが加わっています。
【 登場キャラクター】
ハボック、ワスプ、ソー
征服者カーン
マグニートー、パイロ
ブロブ、トード
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