X-FACTOR TPB vol.20: Hell on Earth War(4)
#253 "Hell on Earth War - Part Four"
魔王たちが跋扈するNYの空は様相を一変させていた。
黒く塗りつぶされた空は一面にひび割れており、そこから血のようなものが
流れ落ち続けています。流れる血は地上で魔王の先兵となり、
他の魔王の手先と戦いを始める。そう、NYが魔界と様変わりしてきたのだ。
「なんていうこと」
ローナが目を丸くします。
「魔王たちの影響なのか」
「俺たちはこれをどうにかしなくちゃいけないのか?」
「いい方法でもあるのか?」
「そんなもんわかるわけないだろスター。あったらこっちが知りたいよ」
ロングショットが愚痴ります。
「これってどうすれば元に戻るのかしら?レイラ、あなたならわかるんじゃなくて」
「そんなの、わかるわけないじゃない」
いつもは気丈なレイラもマドロックスが消滅させられたと思い、消沈しています。
山中のセーフハウスに戻った一行はティアを寝かしつけ対策を検討します。
束の間の休息をとるティア、しかし追っ手は夢の中までも現れるのだった。
「なんだ、お前!あっち行け!」
「あら、つれないわね。私はあなたにチャンスをあげに来たのよ」
夢の中に現れたサタンナは優しい言葉でティアに近づきます。
「この状況を元に戻すには、あなたが降伏して私に力を授けてくれればいいのよ」
「力を…?」
「そう、あのプルートを殺した力を。
あなたはそれをくれればいい、代わりに私もあなたにあげるものがあるわ…」
サタンナが後ろ手に隠した剣をすんでのところで見破って距離を取るティア。
「ティア!起きて!どうしたの」
様子のおかしい息子をレーンがゆすり起こします。
夢の中から放り出されたサタンナは姿を現すと、ミニオンを召喚し実力でティアの命を奪いにかかります。
数に押され、サタンナの剣があと一歩でティアを切り裂くかという時、自分の血が流れるのをみたティアの獣性が目覚めて反撃に出ます。
サタンナの振り下ろす剣を両手で白刃取りし、逆に奪って切りかかる。
その迫力にサタンナは煙となって退散するのであった。
続いてミニオンどもも退散し、セーフハウスに静寂が戻る。
休息をとるモネにレイラが近づいて言って声をかける。
「モネ、ちょっと聞いて」
「ごめんなさい、今そんな気分じゃないの」
「いいから、聞いて。あなたにとって今、死がすぐそこまで来ているの。
私が何言ってるかわかる?」
「本気で言ってるの?」
「本気よ」
「もう私に話しかけないで」
「ええ、これ以上伝えることもないわ」
モネの怒りも当然ではあるが、レイラもこれだけは伝えなくてはならなかったのだった。
メフィストの牢獄。ジゼベルが拘束を解こうと苦心しています。
「やややややめろ、ととと言っているるるるる」
魔物化し片言となったマドロックスが制止します。
その時、丸太のような腕がマドロックスの首元を掴んで締め上げます。グイドが助けに来たのです。グイドはジゼベルの拘束を引きちぎります。
「あなた…、私の側につくというの?」
「俺っちは俺自身にしかつかないよ。
ただ、あんたには俺の助けが必要だ。俺にとってもあんたの助けが要る」
「そうね。なんとかして私たちがティアを手に入れる。
メフィストの思う通りにだけはさせない」
ジゼベルは改めて父親への反抗を決意するのであった。
再び自由となったジゼベルとそれに協力するグイド。彼らは第三の陣営となりえるのでしょうか。そしてレイラが伝えたモネの死。実はこれ#251でダーウィンとレイラの会話でも示唆されていた伏線ではありました。この予言は実現してしまうのか?
魔界のようになってしまったNY。珍しく見開きでアベンジャーズVSミニオン軍団がどーんと描かれています。ちょうどこの話は2012年のMarvel NOW!イベントの頃だったため、そのころの新連載(新コスチュームのキャップやアーマーを着たハルク、シングのような着ぐるみアーマーを着たFF等)が目立つように描かれています。