X-FACTOR TPB vol.20: Hell on Earth War(1)
X-FACTOR TPB第20巻の紹介です。#250~256まで収録。本編はX-FACTOR探偵社のクライマックスともいえるアーク。ですので、各1話ずつ紹介していきたいと思います。
#250 "Hell on Earth War - Part One"
ミュータントと神の間に生まれた狼少年のティアは目深にフードを被ってNYの五番街を歩いていた。始めて見るネオン、始めて体験する人ごみ。突然飛び出してきた自転車に驚いて尻餅をつくティア。
「大丈夫かい?少年」
「あ、大丈夫…」
顔を上げるとティアを付け狙うダーウィンが銃を構えて立っていた。
驚いて飛び上がるも追跡者の手はがっちりとティアの首根っこを押さえていた。
観念して目を伏せるティア。だがそのとき歩道に突っ込んできたタクシーがダーウィンを跳ね飛ばす!
「乗って!!」
運転席から顔を出したのは母のレーンだった。ティアがタクシーに飛び込むと、もう一度ダーウィンを跳ね飛ばして逃走する二人。
「母さん!ジャックは!?」
「今は聞かない!!」
「どこに行くのさ?」
「決まってるでしょ、X-FACTOR探偵事務所よ」
探偵事務所ではマドロックスとモネがピップの書き置きを見て目を丸くしていた。
『退職するぜ! 全部モネが悪い ピップ』
先日の乗っ取りが相当頭にきていたモネの心情もわかるが、寝耳に水なメンバーの離脱にマドロックスは頭を抱えていた。
そんな折にレーンとティアがやってくる。見知った顔であるリクターやシャッタースター、歓迎してくれる所長マドロックスの顔を見てようやくほっとした顔を見せるティアだった。
が、そんな安堵もつかの間、事務所にダーウィンが踏み込んでくる。鉄壁の防御を誇る自己進化能力を持つダーウィンには、タクシー程度では足止めにもなっていなかった。
「邪魔をするな!今、そいつを仕留めなくちゃ手遅れになるんだ!
お前達も見ただろう、あのマグマの中から飛び出した人影を!」
乱闘の果て、ティアはダーウィンに捕まり銃を突きつけられる。慌てるローナやレーンを制して説得を試みるマドロックス。
「大丈夫だ、心配無い。ダーウィンは撃てない。そんなことする奴じゃない」
そう言いながらもマドロックスは既に分身を背後から迫らせていた。
バン!銃声が響く。
が、銃口はあらぬ方向を向き、床を撃ち抜いていた。
「できない…。だめだ、もう間に合わない」
うなだれるダーウィン。
失意のダーウィンに駆け寄ろうとすると、今度は壁を突き破って侵入者が現れる!それは悪魔ジゼベルとグイドだった。
グイドはモネを一撃で空高く放り投げると、ロングショットのナイフも払い除け、マドロックスを分身ごと吹き飛ばす。
「グイド、何やってるの!早くその小僧を殺すのよ」
何かを感じ取ったレイラは皆を集めてフォースフィールドを展開する。
時を同じくして吹き飛ばされたモネが戻ってきた瞬間、事務所は大爆発を起こすのだった。
辛くもポータルに飛び込み脱出をしたX-FACTOR。飛び出した先は荒野の岩壁の上。
しかしグイドとジゼベルも既にその場に居り、傍にいる巨大な影に話しかけていた。
「失敗したのか、我が娘ジゼベルよ」
「は、申し訳ありませんお父様」
ジゼベルは巨大は赤い悪魔にかしづきます。
「なんだあいつは?」
「メフィスト。地獄の王の一人」
レイラはそう言うと他の声にも気づく。周りを見渡すとヘラやプルート、サタンナ達地獄の諸侯が集まっているではないか。
「さあ、長き戦いの最終幕が上がろうぞ」
レーンとティア、ダーウィンにグイドも現れ、役者も揃ったところでX-FACTORクライマックスのヘル オン アース ウォーが始まりました。今まで街の探偵業やら身内でのもめごとやらを扱っていたのに、急に神様相手になってしまいどうなるのでしょう。
グイドは微妙にコスチュームが変わっている所がポイント。ヴィラン版コスチュームってやつですね。