Children & Weapon Smith

MarvelComics(主にX-MEN)の紹介をしているブログ

X-FACTOR TPB vol.19: Short Storys

X-FACTOR TPB第19巻の紹介です。#246~249まで収録。

タイトルの「Short Story」の通り、短編エピソード集です。

#246 "Short Story"

夜更けの路地、美女に背後から襲い掛かる強盗。

「このアマ!大人しくしな」

「大人しくなるのはそっちの方だぜ」

そこに現れたのはトレンチコートにフェドーラをキめた

我らがピップ・ザ・トロルだった。

 

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ピップは素早く後ろに回り込むと強烈な一撃で強盗をK.Oする。

そしてやさしく美女をエスコートすると、馴染みの店で一服するのだった。

彼女の名前はベラ、裏口からさっきの強盗の声がするというので

様子を見に行ったピップはこっそりと強盗役の男にチップを渡すのだった。

「へへ、毎度。そういや最近『X-FACTOR探偵社もお終いだ』みたいな

話をよく聞くんだけど大丈夫かい?」

「オーケー、オーケー、良くある話だ気にすんな」

店に戻り、もう心配ないとベラに告げると二人はまた飲みなおした。

 

店を出てタクシーを止めると彼女一人を乗せてドアを閉める。

「え、ちょっと、ピップ…」

茫然とするベラを一顧だにせず運転手に札を渡して発進させる。

モテる男というのはこういうことだと言わんばかりに独りで家路に着くのであった。

 

帰り道、ピップは探偵社に来てからのことを回顧していた。

以前はアダムやガモラ達と宇宙中を駆け回った自分だった。

サノスの奴にはひどい目にも合わされかけた。今とは全然違う世界だ。

マドロックス達は気のいい連中だ。去る者もいたが、残った奴もいる。

探偵社の受付ってのも悪くない。

金持ちバアさんの依頼を5分で解決して大枚せしめてやったこともあった。

探偵社にカチコミかけてきた忍者軍団を全員異世界送りにしてやったこともあった。

この先チームがどうなるかはわからん。俺もどうすることになるか。

だが、仮にチームから去ろうと俺もX-FACTORの一員だ。

 

そんなことを考えているうちに事務所に到着する。

するとそこには家に帰したはずのベラが立っていた。

「ベラ、どうしたんだ?こんなとこ……」

X-FACTOR探偵社もお終いよ」

ベラの放った弾丸はピップの額を貫いていた。

 

 

#247 "Rising Again"

マドロックスとレイラはラスベガスに新婚旅行に来ていた。

ハート形のベッドで朝寝をしているとドアをノックする音に邪魔される。

部屋を訪れてきたのはラスベガス市警の捜査官だった。

 

ホテルの前で起きた殺人事件の聞き込み来たという捜査官から

通常ならぬ者の気配を感じたマドロックスとレイラは独自に調査に乗り出す。

事件現場で見つかった100年以上は経つと思われる肉片からレイラが降霊術を行うと、

南北戦争記念館に何かあることを突き止める。

 

マドロックスが記念館に向かうと、ちょうど南北戦争再現ショーの開演直前だった。

舞台裏に潜り込んだマドロックスが見たのは、リンカーン大統領のゾンビが出演者を皆殺しにしている現場だった。

 

そのまま斬り合いになだれ込む二人。

舞台までもつれ込むと、観客はショーの演出かと盛り上がるが、マドロックスがゾンビの頭を切り落とすと会場は一転パニックに。

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頭が落ちても戦い続けるゾンビだったが、マドロックスの分身が一斉射撃で舞台の照明を落下させると、ライトの熱で燃え上がる。

リンカーン・ゾンビは燃えながらも呪いの言葉を残す。

「X-FACTOR…探偵社……オシマイだ……」

 

 

#248 "Being Monet St.Croix"

ピップは悪夢に苛まれていた。

目の前にはサノスとデス、逃げ場の無い部屋。

通路に逃げても行き止まりで、その壁を押しながら逃げ回る。

 

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と、そこで目が覚める。

見渡すと見知らぬベッド、見知らぬ部屋、見知らぬ視点。

鏡を見ると自分がモネになっていることに驚く。

驚きもそこそこに早速コスチュームの胸元を開けるスケベ根性。

しかし、モネ本人の意識もあるらしく、自分自身に平手打ちが飛んでくる。

 

その頃探偵社の面々は遺体安置所でピップの身体と面会していた。

いや、正確に言うと遺体では無かった。

医者が言うには頭は撃ち抜かれているが呼吸も身体機能も正常のままだという。

そこにモネの身体のピアノが現れる。

「いよう!お歴々。お揃いだな!」

「モネ!あなた…どうかしたの?」

「どうかって、どうもしねぇよ。

それよりあれだ、俺の頭を通り抜けた銃弾はどこに行ったよ?」

「どこに、って…」

モネが皆をからかってると思い、その場の全員が笑い出します。

だがシャッタースターだけは笑ってません。

冷静にこれはモネの身体の中にピップの精神が入ってることを指摘します。

それに乗ってリクターが聞きます。

「じゃあピップ本人なら、なんで頭を撃ち抜かれても身体は平気なのか

説明できるんじゃないか」

「おう、それはな……」

 

そこへ事件現場を見てきたロングショットが帰ってきます。

「いやあ、現場に銃弾が落ちてたよ。ラッキーだね……。

って、みんなを爆笑してるのさ」

モネ以外が笑ってるのを不思議がります。

「いや、モネの中にいるピップが言うには

ピップの脳は頭の中じゃなくて"腹の中"にあるんだってさ」

全員は否応なしにモネ=ピップを信じざるを得ませんでした。

 

一方、新婚旅行から帰ってきたマドロックスとレイラはタクシーに乗り込むが運転手の様子がおかしい。探偵社に帰るはずがNY植物園に連れて来られてしまいます。

「おいおい、ヘン・ハー!戦車をどこに走らせてるんだよ?」

「ククク、これでX-FACTOR探偵社もお終いだ…」

運転手の目は狂気の光をたたえています。

レイラはガントレットの力でタクシーを破壊して止めると、運転手が第三位の下級悪魔ワーダーに取り憑かれていると見抜きます。

 

ピップの頭を撃ち抜いた弾丸からベラの居所を突き止めた探偵社一行は、同じくNY植物園に辿り着いていた。

公園中央の広間には、運転手と同じようにワーダーに取り憑かれた群衆が武器を手に集まっており、その中央ではベラが不敵に笑っていた。

彼女が手をかざすと公園の地面が割れ地下からマグマが吹きあがってくるのであった。

 

 

#249 "Inner Depths"

 荒れ狂うマグマの中、ワーダーの群れと戦う探偵社のメンバー達。

「ローナ達は上空からサポートしてくれ!

地上は俺とスターがなんとかする。この状況なら…」

とリクターが振動パワーを使うと地面が割れマグマが敵に向かって吹き出す!

だが自身もマグマに飲まれそうになる中、すんでのところでモネが二人を救い上げる。

「ナイスフォロー、ピップ!」

「私、ピップじゃなくってよ!」

「モネー!!!」

モネは怒りでリクターを投げ飛ばす。

リクターとロングショットはローナの浮かせる鉄板の上になんとか拾われた。

だが身体を乗っ取られた怒りの治まらないモネはローナにもあたりちらす。

「ちょっと!落ち着きなさい、モネ。周りの状況をよく見なさい」

「マグマだか悪魔だか知らないけど、こちらはあの小男に乗っ取られて心を

閉じ込められてたのよ。貴女は知らないでしょうがエンプレートがかつて

私の心を閉じ込め、ペナンスという獣の身体にして…」

そこへローナの平手が一発飛びます。

「一つ、今の一発でチャラにすること。二つ、あなたのその話は今することなの?

三つ、乗っ取られたことを笑ったのは謝るわ。OK?これでもう十分?」

「…ところで、シャッタースターの奴はどこ行った?」

 

シャッタースターがワーダーの大群に孤軍奮闘していると、ベラが巨大な魔物に姿を変え襲ってきた。触手に捕らわれ動けなくなるスター。

「グググ、貴様たちが如何にあがこうと無駄なこと。

見ろ、今以上の軍勢が大挙して押し寄せてくるぞ」

ベラの指す方向から大量の新手がやってきます。だが…。

「ググ?なんだ?」

「なによ、あれ?」

やってきたのは大量のマドロックスと分身達でした。手に手に武器を持ってすでに大量のワーダー達を倒してきたようです。

「皆殺しだ!」「やつら現世と地獄をつなげようとしてるぞ」「阻止するんだ!」

分身が口々に叫んでいます。

 

ワーダー達も悪魔の姿を現して一斉に襲ってきますが、全員揃ったX-FACTORメンバーの前にどんどん倒されていきます。

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大型悪魔のベラもリクターの振動パワーを直接身体に受けて弾け飛びます。

 

全ての悪魔を倒したものの、マグマの噴出は止まらず、ついには大噴火を起こします。

レイラのフォースフィールドの中でなんとかマグマをやり過ごす中、メンバーは火口から飛び出した複数の人影を目撃します。地獄から飛び出した彼らは何処かへと消え去り、植物園は元の静けさを取り戻すのでした。

 

 

 ショートストーリー、と言いながら緩く繋がりをもって、最後の植物園の対決で締めくくったお話。結局ピップの乗り移りは撃たれたショックによるもの、以上の説明はありませんでしたが、乗っ取られたモネの口からエンプレートとペナンスの名前が出てきたのは、ちょっと楽しいところでした。

さて地獄の蓋が開いて中から飛び出してきた面々、X-FACTORのクライマックスとも言えるHELL ON EARTH WARがいよいよ始まろうとしています。

 

 

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