X-FACTOR TPB vol.18: Breaking Points (4)

X-FACTOR TPB第18巻の続きです。

ブレイキングポイント最終章、アレックス（ハボック）編。

 #245 "Breaking Points: Five Days That Will Change X-Factor Forever Day Five"

マドロックスは激怒した。
「これは一体どういうことだ！
あんたの指示でチームは回ってるのか？
俺たちは気持ち良く働けてるのか？」
「落ち着けよ、マドロックス…」
「これが落ち着いて居られるか！？
アレックス、あんたが来てからチームは下手な映画編集みたいにバラバラだよ！
これがあんたのリーダーシップなのか！？」
マドロックスの怒りは収まりません。
「レーン、リクター、シャッタースターが去った。
テレサも去った、グイドも去った！」
「在庫一掃ね……」
「黙ってろ！モネ。俺とあいつはずっと前からの親友だったんだぞ。」
そんなマドロックスにアレックスが言い返します。
「そうは言うがな、マドロックス。テレサに関してはお前のだらしなさが原因だったんじゃないのか？」

「うるさい！！」
ついにマドロックスが手を出しました。それに対してブラストを構えるアレックス。あわや衝突と言うところでローナが仲裁に入ります。
「二人ともやめなさい。テレサのことなら私が原因でしょう。彼女の声が私を目覚めさせた時に聞こえたの。女神モリガンのこと、その力を受け継いだこと、チームを去ること…」
それを聞いてレイラが声を上げる。
「なら私にも責任が…」
「その事なら俺の責任だ」
レイラを制してアレックスが話し出します。
「女神モリガンの事件に彼女を連れ出したのは俺だ。
ローナの件で俺は何もできなかった。
モリガンを召還するようレイラに持ちかけたのも俺の責任なんだ。
何もできなかった俺がチームの和を崩してしまった。
マドロックス、モネ、ロングショット、そしてレイラ、君たちの怒る気持ちはわかるよ」
「そんなこと無いよ」
レイラの優しい言葉にマドロックスの怒気も散らされます。

皆の気持ちもどこか宙ぶらりんのまま、リビングから一人去り二人去り、最後にローナだけが残されます。そんな寂寥感に苛まれる彼女だったが一つだけ希望が転がり込みます。光の渦に吹き飛ばされた彼女が振り返ると、そこにはポータルを通って帰ってきたリクターとシャッタースターが立っていたのだった。
「やあ、誰かお探しかい？」

アレックスはクローゼットの中でローナから二人の帰還の報を聞いていた。
ウルヴァリンの仲立ちで探偵社にやってきたアレックスだったが、それは間違いだったと悟り、チームを去ると言います。
ローナも連れて行こうするアレックスに、彼女は首を振って言います。
「あなたと私はずっと一緒よ、それはわかってるでしょう。
でもね、私はこの探偵社が好き、皆のことが好き。
多くの人が居るこの町で隠れて暮らすのでなく"やあ、お隣さん。困ってる事はないかい？"って人もミュータントも分け隔て無く挨拶するこのチームが好きなの。
そんな彼らの力になりたいの」
「俺の力にはなってくれないのか」
「ううん、あなたもそう。でも今はこのチームの方がちょっとだけ手が足りてないの」
そう言うとアレックスのトランクを閉めるローナ。彼女の言葉は別れの物ではなく、最愛の人を信じて送り出し、そして自分も大丈夫だから信じて欲しいという物だった。

一方、マドロックスはレイラとダイニングでアイスクリームを食べていた。そして彼女に結婚を申し込んでいた。

アレックスが出て行くとき見送りにきたのはローナひとりだった。マドロックスは小躍りして待ってるかと思ったと皮肉を言って出て行くアレックスだったが、彼のチームメイトはそれほど淡白な連中では無いのだった。

ブレイキング・ポイントの最後はハボックの離脱話。湿っぽい雰囲気になるかと思わせて、最後に上記のコマで締めくくっています。本当にこの別れの雰囲気が大好きです。前から書いてるけどこのX-FACTOR探偵社はメンバーが固定で長く続いてる事も有ってか、離脱の別れや再開のシーンをきっちり描いてくれるのがとても好感が持てます。

また、あっさり書きましたがマドロックスとレイラの結婚シーン。これまで散々引っ張ってきた反動か、いざ本当にそうなったらあっさりと語るという手法を取ってます。

最後に、前後しますがアレックスとローナが部屋で語るシーン。結果として離ればなれになりますが、二人の会話は互いを思いやっていて、環境は変わっても二人の関係は変わらないのだなとほっとさせてくれます。全訳は出来ないので上手く伝えきれないのが残念です。印象的だったのはハボックが部屋を出るページ。ローナとの会話でも兄サイクロップスの事が出てきてのサングラス。良いですよね。