Children & Weapon Smith

MarvelComics(主にX-MEN)の紹介をしているブログ

X-FACTOR TPB vol.18: Breaking Points (1)

X-FACTOR TPB第18巻の紹介です。#241~245まで収録。

ちなみに本ブログにて先日まで紹介を行っていたUncanny Avengersは、この18巻の終了と入れ替わりの形で始まっております。どちらにも登場しているハボックはこの巻にてX-FACTOR探偵社を去り、その後アベンジャーズ新チームに加入する流れとなっております。

 #241 "Breaking Points: Five Days That Will Change X-Factor Forever Day One"

異世界からやってきたドーマムゥは苛立っていた。元の世界にも戻れず、廃墟に当たり散らす毎日。その様子を冷ややかに見つめるバノラとデスロック・キャップだったが、三人の元にダミアン・トリップが現れる。三人をこの世界につなげてしまった現況はX-FACTORのマドロックスにあり、彼を捕えるためにNY行く必要があると告げるのだった。

 

X-FACTOR探偵社では自警団の自殺事件をあきらめきれないマドロックスがロングショットに遺書のサイコメトリーをさせていた。通りかかったハボックは、まだこの事件をあきらめて無いマドロックスに呆れつつ、ついこの間までモジョーの罠をサイコメトリーしてしまい昏倒していたロングショットを気遣う。

そんなマドロックスとハボックに宛ててレーンから電話が入る。セントラルパークに戻ってきているから迎えに来て欲しい、と。

 

セントラルパークに来たマドロックスとハボックだったが、リクターとシャッタースターを伴わず、一人で居るレーンに違和感を感じる。警戒する二人の背後からドーマムゥとデスロックが飛びだし、レーンに化けていたバノラも正体を現して二人を捕えにかかる。

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ドーマムゥの魔法に捕らわれたマドロックスだったが、レイラによって偽レーンの電話を見破り、駆けつけたX-FACTORに助けられる。機械の身体のデスロックは磁力を操るポラリスに敵うはずも無く、ドーマムゥもグイドの肉弾戦に押される一方だった。

 

不利を悟ったドーマムゥは公園の一般人を人質にとり事態の打開を目論むもグイドは「やってみろよ、その時はアンタも死んでるぜ」と意に介さずにじり寄る。その刹那モネが空中から人質を救出し、虚をつかれたドーマムゥは自爆して果てるのであった。

しかし一般人を見殺しにしようとしたグイドに怒りの収まらないモネだった。

「グイド、あなた…。ドーマムゥは本気で彼女を殺すところだったのよ」

「いや、だが多少の被害は有っても俺はこの状況をだな…」

「もういい!どこかへ行ってちょうだい!!」

「ちょっと待てよ…」

「今すぐ!魂の欠けた化け物とは話す事はありませんわ!!」

「ああ、わかったよ。あんたも、X-FACTORもクソっくらえだ!」

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モネの言葉に心底腹を立てたグイドは切れてチームを去ってしまいます。この様子を公園の森から眺めていた影がグイドに接触、二人は連れ立ってどこかへと去って行ってしまいます。

 

 

喧嘩中なこともあり売り言葉に買い言葉でついに決裂してしまったグイドとモネ。二人の間だけでなく、グイドはチームからも去ってしまいました。

悲しい結末になった今回のお話でも映画ネタは健在。ピップがハボックに電話を取り次ぐシーン。

「おい、トロンに電話だぞ」

「トロン?」

「黒地に光るラインのコスチューム。これがトロンで無くてなんだってんだ?」

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ハボックの年齢なら映画「トロン」のことくらい知ってそうですが。

X-FACTORのメンバはコスチュームも控えめな物ばかりなので、以前からの物を引き続き着用しているハボックはちょっと浮いた感じになっているんですよね。

 

 #242 "Breaking Points: Five Days That Will Change X-Factor Forever Day Two"

山中を捜索する狩人の目、探偵社を去ったダーウィンが大きな銃を持ってあたりを警戒しています。彼の獲物はレーンの息子ティア。ミュータントのレーンとニブルヘイムの狼神フリムハリとの間に出来た運命の子供です。

以前の事件でアスガルドの神に匹敵する力を一時的にも得てしまったダーウィンはその後遺症に悩まされます。それは、このティアを殺さなくてはならないという使命感、そうしないと人の世が危ぶまれるという焦燥感でした。

 

まるで小さな子狼のようなティアに対しダーウィンは巨大な銃を浴びせかけます。しかし、ティアも常人離れした動きでこれをかわすと再び茂みに逃げ込みます。

追跡するダーウィンに対し、今度は逆に巨大な狼男が襲い掛かります。ティアの現在の保護者である狼男のジャック・ラッセルです。ダーウィンはすさまじい一撃をかわすと両目に死の女神の文様を浮かばせ、ジャックの変身を強制的に解除すると叩き伏せます。

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そんな追跡劇に割り込んできた二組があります。一つはティアは生かしておかねばならないと言うダミアン・トリップに連れられて現れた獣人バノラ。そしてもう一組は息子を探すレーン、リクター、シャッタースターのX-FACTOR探偵社です。

 

崖っ淵に追い詰められ焦燥するティア。ダーウィンが狙いを定めると、風を切って現れたバノラがティアを抱え、すさまじい跳躍で崖を飛び越え逃げていく。それでもなお狙いを定めるダーウィンの前に、今度はリクターが現れます。

「銃を降ろせアルマンド。子供を撃とうなんてどうかしてるぞ」

「リクター…、悪いが事情を説明してる暇は無いんだ。

俺はもう探偵社の一員じゃない。

レーンも来てるんだろ?彼女を連れてとっとと帰るんだな」

「そうだ、フリムハリの件で来てるんだ。

どうしたんだよ一体?ヘラとの一件からすっかり人が変わっちまって」

「生と死の両面が見えれば考えも変わる。

俺はそのどちらでもない中間の存在として…」

「いいから銃を降ろせ、アルマンド

「やってみせろよ、リック」

能力を無くしたリクターに勝ち目は無いと余裕を見せるダーウィン。しかし、リクターは取り戻した振動パワーでダーウィンの足元を崩すと、彼を崖下に落とすのだった。

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一方、ティアを安全な所まで連れてきたバノラは一息ついていた。

「お、お姉ちゃんは誰なの?僕と同じ匂いがする。

なんで僕を助けてくれたの?

まさかお姉ちゃんも僕を殺そうとするの?」

不安な瞳でティアが聞きます。

「あー、えっとね、あたしはあんたの…親戚みたいなもんだ、多分」

怯えながらも、彼女の元を離れないティアにバノラが聞きます。

「あんた、あたしの事が怖くないのかい」

「う、うん。でもお姉ちゃんとっても寂しそうな気がする…」

「あんた…」

バノラとティア、異世界の姉弟が交流を深めようとしているその時、茂みの中からレーンが現れます。彼女の姿を見とめると豹変したように怒り狂って襲い掛かるバノラ。 

レーンが反撃するのを見ると「お姉ちゃんに何をするんだ!」と今度はティアが飛び掛ってきます。もみ合いになる二人。しかし、そこに母の匂いを感じ取ったティアははたと我に返ります。

「(クンクン)え?この感じ、まさか」

「そう、私はお母さん。

ずっと、独りにしちゃってごめんなさい…。

これかは一緒に居ましょう…」 

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それでも怒りの収まらないバノラであったが、

 シャッタースターの一撃に沈むのであった。


セーフハウスに戻った面々は、今後について話し合う。レーンはしばらくティアと共に山中で穏やかに暮らしたいと言い、チームに戻らないことをリクターとスターに告げるのであった。

 

 

親子の再会も成って一件落着と思いつつ、 グイドに引き続きレーンもチームを離れることに。バノラは死んだりはしておらず再登場の気配は見せるものの、この後の物語に絡むことはありません。

ダーウィンは崖オチを披露していますが、さすが邦訳版セカンド・カミングで「不死のミュータントの一人」とまで言われた男、身体が危機に対応して当然生きています。

ダミアン・トリップはちょこっと顔を出していてバノラに状況説明をしていましたが「まずい、奴が来たようだ!」と言って光の中に消えてしまいます。この人、出てくる度に思わせぶりなことを言う割には新たな事実を明らかにするようなことはしないのでいい加減にして欲しいというのが正直な感想です。

 

まだまだ続くX-FACTOR探偵社の分岐点。果たして他のメンバーの去就や如何に?

 

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