X-FACTOR TPB vol.16: Together Again For the First Time(1)
X-FACTOR TPB16巻の紹介です。#233~236まで収録。
さまざまな平行世界を渡り歩き復活を果たしたマドロックス。その間X-FACTOR探偵社はどうなっていたのか。無事リーダーに返りつけるのか!?
#233 "In From The Cold"
死体安置所で一夜を共にしたマドロックスとレイラ。彼の胸には本当に現実世界の本体であることを明かすように大きな傷ができています。
「心配かけたなレイラ。だがこれで恐れ知らずのリーダー様の復活だぞ」
「あー、その”恐れ知らずのリーダー様”の件なんだけどねぇ…」
とある空き地。ミュータント排除主義者たちが武装してキャンプを張ってます。
「それで、子供たちはどれくらい居るんだ」
「そうね、判明してる限りそう多くは無いようね」
「あいつら大統領に脅迫文でもおくりつけようって奴らだろ、ヴァル。
でかでかと”ミュータント居なくなれ”とか書きやがって」
「おちついてグイド。なんで私たちが呼ばれたと思ってるの?」
「そりゃことを速やかに収めるためだろ」
と両手に剣を構えるシャッタースター。
「ちょ、ちょっとよしなさい」
政府の超人問題担当官ヴァレリー・クーパーが慌てます。
新たにX-FACTORのリーダーに就いたアレックス・サマーズ(ハボック)が言います。
「子供たちの安全を考えたら手荒な真似はできない。だがもっと簡単な方法もある」
先行していたテレサが催眠音波で「♪武器を置いて~、子供を優先して皆出てきなさい~♪」と歌いながら現れる。皆武器を手放し子供たちはキャンプから隔離されるが、中に催眠音波が効かない者もいてテレサに銃を向けてくる。
とっさにリクターの起こした地震で狙いは外したが、銃声で何人かは目を覚ましX-FACTORに攻撃してくる。一斉に発砲される無数の銃弾!しかしそれらはこちらまでは届かない。ローナ(ポラリス)が磁力で静止させたのだ。
一人の男がテントの中に逃げ帰るの見たレーンは素早い動きでそれを取り押さえる。
「くっ、しかしその爆弾は音声で起動できるのだ。貴様ら全員道連れだ」
「モネ!!」
「わかってますわ」
レーンの声に現れたモネが爆弾を投げ飛ばし、アレックスのブラストで空中爆発させる。多少予定は狂ったが見事なチームワークで暴動を事前に収めることに成功したのであった。
「なるほど、アレックスが指揮をとって依頼をこなしてるのか」
「ヴァル・クーパーもお得意様のうちの一人ってことね」
「”一人”?他にもいるのかい。まさかウルヴァリンとか?」
「…」
黙り込むレイラ。
「マジで?」
「マジで」
「なんてこった。そんなことなら目覚めるんじゃなかったよ」
と嘆息するマドロックスであった。
マドロックス復活の裏でアレックスリーダーがちゃんとX-FACTORやってるよという話。メンバー全員に見どころがあって素晴らしい回です。ちょっと前の「ポイント1イシュー」(新規読者獲得のためのイベント)がこの話だったら良かったのになあ。
#234 "Long Distance Call"
意気揚々とX-FACTORメンバーの前に姿を現すマドロックス。
感動の再会!かと思ったが、グイドを蘇らせたことで魂の欠落を引き起こしたレイラがまたなにかしたのかと考えたモネはレイラに飛びかかる。
「また貴女の仕業ですの?マドロックスの魂も無くすなんて!」
激昂したモネはレイラと一対一で話を付けようと彼女を連れて飛び去ってしまう。
あっけに取られながらも残されたメンバーはリーダーの帰還を喜ぶのであった。
エンパイアステートビルの屋上を人払いし、モネはレイラに喰ってかかる。
グイドの件はあんな結果になると知らなかったというレイラに、モネは「あなたは何でも知ってる(I know stuff)んでしょ」と問い詰める。
困ったレイラは手近なコイン式双眼鏡を指して
「モネ、これ見てくれる」
「NYの景色が広がってるわね」
レイラは少し離れて今度は自分の方に双眼鏡を向けさせる。走って近づくレイラ。当然双眼鏡の視界は真っ暗になる。
「これが私の見えてる世界」
「要するに近い未来、細かな結果はわからない。そう言いたいの?」
「そんなところ。グイドの件は本当に悪かったわ。あんなことになるなんて。
でも、あのまま彼が死んでしまったら、その原因であるバリスティークの記憶を
蘇らせたあなたは一生そのことを後悔し続けることになったわ。(参考)
私の大切な友人がそんなことになってしまうのに耐えられなかったの」
メンバーと一線を引いてたレイラからの”大切な友人”発言に、モネは毒気を抜かれて飛び去って行ってしまうのであった。
まるまる2話使ってのマドロックス復活編でした。愛憎複雑なチームではあるもののこういう時は「お帰りなさい」雰囲気をしっかり作れるのは読んでいてとてもほっとします。
なおこのお話の最中、以降の展開として2つのサブシナリオが進んでいました。ひとつは4巻で出てきたジョセフ・フーバーの元に悪魔ジゼベルが現れ、人の世を覆すアポカリプスを起こすことを提案している。もうひとつはヒーローのコスプレをして街を守る自警団が何者かに惨殺されます。前者はしばらく後の伏線で、後者は次のイシューにて展開されます。
後半2話は次のエントリにて。