X-FACTOR TPB vol.14: Super Unnatural
X-FACTOR単行本 14巻の紹介です。12・13巻とあまり活躍していないイメージの主人公マドロックスですが、この巻では久々に探偵としても活動してます。
#224.1
ある事件の調査でカンザス州を訪れたX-FACTOR探偵社。マドロックスとレイラは残りのメンバーに調査を任せ、マドロックスの生家である農場を訪ねていた。
二人が納屋を見て懐かしんでいると、無人のはずの家から少年が現れ銃を向けてきた。なんとかその場を収めて少年の母親であるサリーから話を聞くと、訳有って息子のテリーと二人で無人の家に住み着いているとのことだった。誤解はあったものの純粋なテリー少年のおかげで和気あいあいとした時間を過ごす4人。
一方、謎の老婆を調査するシャッタースター達だったが、監視されている事に気付いた老婆はみるみる姿を変えると、緑の色の触手を持つ巨大なモンスターとなり襲い掛かってきた。全員掛かりでモンスターを倒したテレサ達だったが、自分たちが緑の返り血まみれになってる間、リビングでお茶しているマドロックス達に皮肉の一つも言いたくなるのであった。
「0.1」が付いた妙な号数ではありますが、これは「マーベル ポイントワン」と銘打ったイベントによるもの。「0.1が付いたこの号からストーリーが始まるから、読み始めるならここからだよ」と言うのをアピールする為のもので、同時期に各誌で付けられていたものです。
かと言って完全に新規のお話という訳でもなく、途中マドロックスが先日のグイドの復活についてレイラが一枚噛んでるとしたら…と不安に思うモノローグも入ってたりします。
#225
NYの探偵社に戻ったマドロックス達だったが、カンザスの警察から連絡が入る。先日出会った母親サリーが何者かに殺され、息子のテリーが誘拐されたのだという。現場にX-FACTOR探偵社の名刺が置いてあったことから連絡されたという。事情を聞きに行く一同。
警察で一通り話を終えた後、サリーの死体をロングショットがサイコメトリーしてみるも「何も無い」空っぽだという。
直後サリーの死体は目を覚ますと死体安置所の中で暴れ出す。
「全てはB.Bに従うのだ。私も、ジェイソンも。」
シャッタースターを吹き飛ばし、レイラのフォースフィールドもたやすく突き破るサリー。首を断たれても暴れ続けるサリーの死体だったが、最後にレイラに語りかけて燃え落ちる。
「お前達もB.Bの新たな仲間となるだろう…」
謎の存在B.Bが浮かび上がってきたところで次回へ。
ちなみにこの回からリクターにミュータントパワー(振動パワー)が戻っています。このあたりの経緯は「Young Avengers Children's Clusade」にて。パワーが戻って最初にすることが地上げ屋の手伝いというビジネスライクなところが何ともX-FACTORらしくて楽しいです。「パワーが戻った喜びを早くレーンにも伝えなきゃ」というリクターにシャッタースターは渋い顔。リクターもどっちつかずな感じですねえ。
#226
アベンジャーズのDBを駆使してサリーの前夫がスーパーヴィランのハングマンであることを突き止めたリクター。時を同じくして街には首に縄の跡をつけた死体が次々発見される事件が続く。これら一連の事件にハングマンが関わっていると目星をつけたX-FACTOR探偵社の一行は、彼の足取りを追う。
農場の納屋から見つかった俳優協会の名刺から、ハングマンの居場所を絞り込む。現場に赴きチームを分けて捜索するマドロックス。
「グイドとレーンは俺とチーム1だ。モネとテレサとロングショットがチーム2、リクター・スター・レイラがチーム3で捜索だ」
<数分後>
「マドロックスだ。各チーム報告を」
「テレサのイライラがこっちにも移ってきますわ。あとロングショットは後でお仕置きが必要ね」
「どうやらスターがレイラと手を組んで、俺を取り戻そうと画策してる模様」
嘆息するマドロックス。相変わらず人間関係が複雑ですw
そんな折、橋の上から伸びてきた荒縄がマドロックスの首を締め上げる!ついに対面するX-FACTORとハングマン。
戦いは白熱するが、彼の前妻であるサリーの死を知った途端、ハングマンの様子が一変する。
「馬鹿な。奴は家族には手を出さないと言っていたはずなのに…。サリー、何てことだ」
「奴?誰のことだ」
「ブラッドバスだ。奴に従わなければ、我々全員の命が無い」
果たして、裏で糸を引くB.B=ブラッドバスとは!?
ちなみにハングマンことジェイソン・ローランドさんは70年代のホラー短編出身のキャラで、俳優として大成するため悪魔と契約してしまったヴィラン。最近ではアベンジャーズ:ウェストコーストとも戦ったりもしているようです。(と言っても89年の話ですが)
#227
ハングマンの案内で撮影スタジオに赴くX-FACTOR。
「ブラッドバスはテリーをここに捕えてる、って知ってて何故乗り込まなかったんだ?」
「ここに私が踏み込めばテリーを殺す。奴はそう言ってた」
「しかし奴はあなたの奥さんを殺した」
「そう、それについては悔やみきれない」
リクターがそこに絡みます。
「しかし、本当かよ?フリーランスの悪魔だなんて」
「おい若造 、私が冗談で息子の命を危険にさらすようなことをするというのか。
奴は地獄から私を拾い上げた。だがそれは500人の魂を手に入れるためだ。
そのために奴は息子を人質にとったのだ」
「でもやっぱりわからないわね。あなたが殺した人の魂が…ブラッドバスの物だなんてなんでわかるの」
テレサの疑問にはレイラが答えます。
「そういうものなのよ。人の魂には”PUISSANCE”というその人固有のエネルギーがあるの。
ブラッドバスにはその識別ができる。だからサリーの死体も操ることができたのよ」
「ええい、いつからX-FACTOR探偵社は相談所になったんだよ。まずは行動だろうよ!」
グイドが門を破って入り込みます。
そんな会話の中でもロングショットはマイペース
「ところで、最近死んじゃったデビッド・キャロライン。あれもあんたの仕業なの?」
「なに、あのキル・ビルの?あの映画好きだったんだけどな」
無人のスタジオを捜索していると突然ブラッドバスが襲い掛かる!!
レーンはマドロックスの分身をつれてテリーを探しに走り、残りのメンバーでブラッドバスとの戦闘に突入する。テリーはすぐに見つかったものの偶然手にしていた銃でマドロックスの分身を撃ち殺してしまう。
一方、戦闘の方はスターの剣撃で動きを止め、テレサのソニックブラストで吹き飛ばしたところをリクターのパワーで建物の下敷きにする!それをかわしたブラッドバスはメンバー全員の魂を掴み操ろうと試みるが、なぜかグイドだけにその攻撃が効かず渾身の一撃を叩き込まれ死亡する。
が、ブラッドバスのもう一つの能力、肉体の死に関わらず魂を他の死体に乗り移らせる能力でマドロックスの分身を操り、油断していた本体を刺殺してしまう。
#228
ブラッドバス編最終回。
マドロックスの死を目の当たりにし怒りに震えるX-FACTORは総攻撃で分身(ブラッドバス)を倒す。それも束の間すぐさま先ほどのブラッドバスの死体に乗り移り起き上がる。
悲嘆にくれるレイラに悪態をつくB.B。
「どうした、そのマドロックスもマッスル・ガイのように蘇らせてみたらどうだ」
「ストロング・ガイだよ!!」
「たしかに、私の力なら死んですぐの身体を蘇らせられる…。
でも、それじゃダメ。魂が無いのよ…」
「なんだって、それじゃあ俺は、魂のない、ゾンビだってことなのか?ってなんで皆、引いてるんだよ」
ためらうレイラにモネとテレサが駆け寄り、それでもマドロックスを蘇らせてたいと願う。そうはさせじと襲い掛かるブラッドバス。そこへテリーに説得され引き返してきたハングマンが現れ、B.Bを吊し上げると、シャッタースターがその隙を逃すまいと首を切り落とした。
しかし死体はもう一体あった。レイラの腕の中のマドロックスに憑依したブラッドバス。レイラはエクソシストの能力を発揮しブラッドバスの魂自体を完全に消滅させるのであった。
結果としてマドロックスは蘇ること無く、X-FACTORはリーダーを失ってしまう…。
が、次のページ目を覚ましたマドロックスはホテルのスイートルームに居て、目の前にはレイラと自分自身の死体が横たわっているのを見て愕然とするのであった。
ということで、久々に活躍したと思ったら殺されてしまったリーダー・マドロックス。目を覚ました場面は3巻の頃にレーンが見せられた未来視のシーンで、5年近く前の伏線をやや改変して次のストーリーラインで拾う形となりました。
次回は死んでしまったマドロックスの冒険のお話。それと残されたチームには意外な客が現れることになります。