Children & Weapon Smith

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ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン発売記念 ~その後のホークアイ~

祝!マット・フラクション著ホークアイ邦訳本出版!

ということで先月27日に小学館集英社プロダクションより発売された「ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン」の紹介です。

ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン | ShoProBooks

既に発売されてから1週間、フラクションの巧みな構成やデビッド・アジャやハビエル・ブリードの洒脱なアートを堪能している方も多いと思います。

本書の内容については各所でレビュー、紹介がされております。

マット・フラクション&デイビッド・アジャ他/ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン : ツルゴアXXX

アメコミ魂: 翻訳者自薦! 『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』

 

今回出版された#1~5の内容は実際に邦訳本を読んでいただくのが一番かと思いますので、ここでは「その後のホークアイ」と題して#6以降のストーリーを紹介してみたいと思います。

願わくば、今後ホークアイの続巻発行が決定して、この紹介がネタバレと怒られることを祈って…。

 

#6"Six Days in the Life of"

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12月13日から19日に日が変わるまでに6日間、ホークアイことクリント・バートンの日常を追います。

ある時はトニー・スタークとTVの配線に難儀していたり、あるときはアベンジャーズとしてウルヴァリン、スパイダーマンと並んで悪の科学者軍団と戦っていたり(ついでにドラマ「Dog Cop」のネタバレをされかけたり)、住んでいるアパートの住人からTVが映らなくなったと苦情をもらったり…。

敢えて日付の順をバラバラに並べることで、彼に起こった出来事を、それに伴う気持ちを上手に表現しているライターの腕前が光ります。

また、このストーリーの中でホークアイはある決断をしますが、そのシーンがデビッド・アジャのシンプルな線とマッチして猛烈に格好良いのです。

 

#7

2012年実際にNYを襲ったハリケーン"サンディ"をモチーフに、ある嵐の日のクリントとケイトそれぞれのお話になってます。

この話は二人のアーティストが絵を担当していて、前半のクリントパートをスティーブ・リーバー(Steve Lieber)、後半のケイトパートをジェス・ハム(Jesse Hamm)が描いています。ハムの描く”イライラケイトちゃん”が可愛いのです。

 

クリントはアパートの住人”Mr.Glills”(屋上でバーベキューやってる帽子のおっちゃん)と一緒に彼の父の家に届け物をします。離れて暮らすMr.グリルとお父さんの仲は微妙。そんな時、折り悪く川が氾濫しお父さんの家は水に浸かってしまい…。親子の仲と間に入った”隣人”クリント・バートンのやり取りが心温まります。ちなみにこの話で#3で出てきた車が修理されて出てきます。

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一方、ケイトは結婚式に招待されドレスで着飾って出かけたものの水害でホテルに閉じ込められる。町に散見される物取りなどの様子にしびれを切らしたケイトは水没した駐車場から弓矢を取ってくるとそのまま町へ出て自警活動を開始するが…。災害に遭いながらも人の善意が見えるちょっとほっこり系のお話。

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#8"My Bad Penny" #9"Girls"

#3で出てきた組織の美女”ペニー”、アベンジャーズの女スパイ”ナターシャ・ロマノフ(ブラックウィドー)”、クリントの先妻”ボビイ・モース(モッキンバード)”、彼の友人で同僚”ジェシカ・ドリュー(スパイダーウーマン)”。

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ホークアイことクリント・バートンの周りを彩る女性達にスポットを当てた一遍。まあ彩るというかペニーに振り回されるクリントと、それに厳しく当たるお姉さま方という華やかなのか刺々しいのか表現の難しいお話。

目が覚めたらお姉さま方3人に立ちはだかられる可哀想なケイト。

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そしてこの話の最後でここまでの登場人物の一人が非業の死を迎えます。冷蔵庫の女じゃないけど、酷すぎますよ…。

 

#10

#9で登場した暗殺者クラウンのオリジンを語る回。白塗りにペイントをして暗殺の仕事をする殺し屋クラウンに仕事を持ちかけたのはトラックスーツ・マフィアであることが判明します。

そしてこの物語の終盤、これまでの件でクリントに愛想を尽かしかけてるケイトが彼にある意趣返しをします。これが邦訳本にも掲載されてるあるシーンをそっくり逆転したような構成になっていて、こういった引用を見せられると「この作家すごいなー」とグッときてしまいます。

 

#11"Pizza Is My Business"

 前述の暗殺シーンと時を前後して、この話はクリントの愛犬アロー→ラッキーの視点で描かれます。このお話の主人公は犬のラッキーなので人が話してることは断片的な単語しか書かれていません(完全にわからないのではなく、一部だけというのが面白い)

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屋上の殺人現場での考察も犬的思考でアイコン化されてます。その他、元飼い主のマフィアに鉢合わせて気まずくなったり、アパートの室内犬と仲良くしてたり、考えてる事がわかるようなわからないような、そんな楽しさがあります。

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そしてこのストーリーのオチでも大きな展開が…。

 

 

 以上が原書版TPB(単行本)の2巻まで収録されている内容となっています。アイズナー賞受賞の犬の話が話題ではありますが、個人的には#6の構成と人情味と絵と噛み合った話が#1~3の後に読むと一際良くなる感じがとてもお勧めだと思います。

 

(追記)邦訳版発売されました!みなさんもピザ犬ラッキーの雄姿を是非!

ホークアイ:リトル・ヒッツ(仮) (ShoPro Books)

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  • 作者: マット・フラクション,デイビッド・アジャ他,中沢俊介
  • 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
  • 発売日: 2015/08/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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国内AmazonやComixorogyなどで入手するも良し、小プロさんを応援して邦訳2巻を出してもらうも良し、少しでもホークアイのお話に興味を持っていただければ幸いです。

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